2026 . 7 . 16

眼瞼下垂手術を目頭形成(切開または切除ではありません)と繋げて切開すると目の窓が大きく、綺麗なカーブ。

私は美容形成外科医となって38年。現在67歳ですが、産まれて2年後から父が美容整形屋になったので、美容医療に65年携わっています???。これまでにも書いたように、子供の頃から父が、それとなく美容医療の素養を与えてきたからです。小学1年生時には毎日の様に、手術をした芸能人の患者さんがくれたEPレコードを持って帰って来て、例えば「街の明かりがとても綺麗ね横浜〜〜」等を聴かされたものです。ジャケットの写真を見て美しい人だと感じて、いつかこういう人達の美容医療に携わりたいと思っていました。

ところが北里大学医学部を卒業する際にターニングポイントが訪れます。その前までは父は、整形外科を標榜して美容整形を診療していましたが、昭和51年に形成外科が,昭和53年に美容外科が標榜科目となり、美容整形は看板に載せられなくなります。実際に保健所が毎週見に来て、その度に看板を隠してました。その様な状況で私は、北里大学病院形成外科・美容外科で研修するか、美容整形外科を標榜する、父の後輩のU院長が主宰するJ病院に入職するかで迷いました。はっきり覚えていませんが、卒業間近に北里に入職する決断をしました。二つの理由は覚えています。大学6年生時に形成外科の実習を1週間回ります。その最終日に懇親会(程の良い言い方ですが、要するに勧誘)で、学生担当の私の出自を知っているF医師(その後はかの有名なJクリニック)に「もちろんmory (学生時代から勝手にニックネームで呼ばれていた)は来るんだよな?!。」と云われて私「一応もう一つ考えているのですが、J.とかも念頭にありはします。」と答えたら、F医師「あんな美容整形のインチキ屋に行ったらもったいないよ。moryは真面目だから。」と云われて、北里大学病院形成外科・美容外科に就職する気が高まったのです。最終段階はやはり父が「今のご時世だから、大学病院の形成外科・美容外科で、医学を学問的に勉強して来てから臨床をした方が良いかな?!。今後何十年の為にも。」「今はまだまだ僕は診療を続けられるから、何年かは一緒にやらなくてもいいよ!。」とも言ってくれて決断しました。

なんでその話になったのかと言いますと、形成外科・美容外科で研鑽した医師と、形成外科以外から転科した医師または”直美”医師では素養が違いすぎるからです。今となっては”直美”にならなくてよかったと思うと同時に昨今”直美”が横行して、美容医療の分野が荒廃していることを憂いているのです。そして、今回の、いつもの、私の得意として結果が得られる好きな手術。眼瞼下垂症手術に目頭”形成”術を併施することは、形成外科・美容外科を研鑽した医師しかなし得ないからです。

眼瞼下垂症手術は、細かい診断技術に基づき手術法の適応が得られ、眼瞼挙筋の縫縮が確実に施行される事が必要です。その点で、形成外科医の解剖学的知識と、脳と運動器(眼瞼挙筋も運動器の一つで脳との連動も深い)の生理学的知識が求められます。とても”直美”には学べません。重瞼術も併施されますが、さらに言うと私は、父が昔手術した患者さんを、今でも多く診ています。どの患者さんも、【目閉じても二重】です。亡き母もそうでしたから、私は幼少期からそれを見て来ました。美容外科・形成外科医を志した時から、「自然な二重瞼を造り出したい。」と念頭に入れながら、もう38年間試行錯誤しながら研鑽して、今では上手く出来ます。これも美容整形屋を見て来たからです。もう一つ、いつも書いて来ましたが、目頭切開は蒙古襞の切除をしてなりません。蒙古襞の拘縮を解除するZー形成術以外では、不自然な結果を呈します。また逆に、一重瞼には蒙古襞の拘縮を伴う為(遺伝子が同座)に、一重瞼を二重瞼にする重瞼術を施行する際には、蒙古襞の拘縮を解除しないと自然な形態になり難いと、提唱してきました。その為に私は、全ての患者さんの眼瞼を計測して、数値的に明らかに証明してきました。その面も形成外科・美容外科の学術的定義に基づく知識です。もう一つ皮弁形成術の技術とデザインの知識は形成外科医だけが学ぶ”医学”です。

症例は65歳女性。来院されていきなり、「先生に夫が、ずっと前に眼瞼下垂手術を受けたのです。」「夫が私にも罹る様に言ったのです。」と有難いお言葉。私後でカルテを見直しますが、他医が施行しています。それに見比べて私、後で「この人の方が目が小さくて手術の適応性が高いのに、早くすればよかったのに。」と呟きました。一目診て、確かに目の窓が小さい。縦横ともです。早速診察します。先天性一重瞼だそう。私「それは先天性前は性眼瞼下垂症という突然変異疾患です。」「人類80億人ですね。そのうち一重瞼者は約10億人で、北東アジア人だけが持つ遺伝子です。2万年前に発生した遺伝子変異が蔓延しました。」と説明して、「でも加齢に伴いさらに伸びて被さってきましたよね?。」と聴けば、患者さん「そうなんです。だから直して下さい。」と話を進めようとするから、私さらに計測して、LF,Levator Function挙筋活動距離:13㎜と正常下限血ですから、極軽度の先天性後葉性眼瞼下垂症です。と言いつつも「いや〜、目の横径(横幅)が小さいから正常範囲ですが、目頭形成の適応ですよ!。」と言うや否や患者さん「同時に先生のブログに載っていた目頭切開したいと思ってきました。」私両手を打って「その通りです。」「縦横のバランスを合わせて拡大しましょう。」「ところで視力は老視ですよね?。」「視力矯正はしていませんか?。コンタクトとか?。」と聴いたら、「老眼鏡は使います。それだけです。」との事で、後天性後葉性眼瞼下垂症はあまり進行していないと診られました。続けて横幅を計測します。眼裂横径(二重瞼者の平均値は27.5㎜)は24㎜と小さく、内眼角間(二重瞼者の平均値は33.5㎜)は36㎜と離れているが、角膜中心間(女性では60㎜が平均値)は62㎜と離れ気味なので目頭の蒙古襞は1.5㎜ずつ寄せて平均的になると計算できた。毎回書いてきましたが、一重瞼の遺伝子と蒙古襞の遺伝子は同座(近いDNA)なので、二重瞼にする重瞼術を施行する際には目頭形成(切開切除は間違い)を併施する方が自然な形態と機能を造り上げられます。さらにフェニレフリンテスト(点眼で一時的に挙筋を強化)をすると、約1㎜と若干開瞼が向上するからLT法が可能です。一応付け加えますが、眼窩志望ヘルニアは認めません。

上記の所見と患者さんの希望から、手術プランが決定されました。第一切開線は瞼縁から4㎜と狭い重瞼線で切除幅は3㎜とし前葉性を改善します。LT(挙筋を結膜側から縫縮)で後葉性を改善します。目頭のZ-形成術は繋げて切開できるラインです。

画像は経時的に両側眼瞼部と左と右の眼瞼部近接像を覧ていきましょう。

両側眼瞼部遠近二葉。被さっています。開いていません。目が離れています。蒙古襞が拘縮しています。開瞼時には前頭筋が収縮して眉が吊り挙がっています。

術前の近接画像。縦横とも小さい目の窓です。

下からは術中の手順。

まずはデザイン。上には両側眼瞼部開閉二葉。下には近接画像。第一切開線(下の線=重瞼線)は4㎜です。第二切開線(切り取り幅の上の線)は被さらないように3.5㎜としました。

切開線を内側の目頭Z-形成の上辺に繋げます。続けて使い回しの机上の図。

DSC_0077図は左側(向かって右側)眼瞼のZ-形成の机上の線画。図の左側が術前、右側が術後。上右の画像の目頭部に描かれています。説明すると、cabとdbaの二つの三角形を入れ替えてb’d’c’とa’c’d’の三角形になります。蒙古襞の稜線abがa’b’になるのですが、sin60度×2=√3×2≒1.73倍の長さになります。4㎜の蒙古襞が約7㎜になり、逆に横方向は、cdがc’d’と7㎜が4㎜となり、蒙古襞は表裏に皮膚がありますから、蒙古襞が1.5㎜退いて、両側で内眼角間が3㎜近づく計算です。

手術開始。

上左図はまず目頭Z-形成だけ切開しました。上右図は続けて眼瞼の皮膚だけ切開。

一度開瞼して確認します。上右図は目頭のZ-形成部をな内眼角靭帯から剥離したら、二つの皮弁が自動的に入れ替わった訳です。この後そのまま目頭だけ縫合4針ずつしました。

続けて LT法の糸をかけてしっかり結びました。青い糸が見えますよね。上右図は開瞼が向上した図

重瞼固定した後、開瞼して引き込みの度合いを診ます。上右図は切除した皮膚です。

下には術直後

上左図は上々図に続けて皮膚縫合して終了直後。上右図はその後10分間冷却して写し直しました

冷却後にも血痂は付着していました。でもよく挙がっています。

翌日も診ました。下の画像ですが、腫脹が亢進しています。

48時間までは亢進します。ボテっと腫れます。実は眼瞼手術の翌日に希望により、眉間のほくろに対するCO2LASERによる焼灼を試行しました。

近接画像の前に、使い回しの机上の図をもう一度観てください。

DSC_0077図は左側(向かって右側)眼瞼のZ-形成の線画。図中の右側が術後で下右図の目頭部の創がその形です。計算上蒙古襞部の皮膚が1.73倍の長さになりました。4㎜の蒙古襞が約7㎜になり、逆に横方向は、7㎜が4㎜となり、蒙古襞は表裏に皮膚がありますから、蒙古襞が1.5㎜退き3㎜近づきました。

下には術後1週間で抜糸後の画像群です。

内出血は48時間後に出現して、広がりました。徐々に黄色くなってきました。でも開瞼は充分に向上してます。重瞼もちょうど良い幅です。しかも目の窓の縦横のバランスも合っています。

抜糸時に引っ掻いてしまい、一部に血痂が付着して傷跡が赤くなりました。

術後2週間で来院されました。腫脹の軽快に日時を要していますが、患者さんは満足されています。可愛いと思います。少なくとも若々しい目元になりました。

近接画像ではまだ内出血が残ります。個体差があります。加齢は影響します。

当院では、厚生労働省により施行された「医療機関ホームページガイドライン」を遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用は眼瞼下垂症の診断が得られれば保険診療で3割負担は約5万円(出来高請求です。)目頭形成術は角膜に掛かる程でないと保険は適用出来ません。自費で28万円+消費税。ブログ掲載を許諾されたら、20%オフとなります。