本症例の患者さんもブログを覧て「ピン!」っときて来院されました。ブログは内容を詳しく説明できるから患者さんには有用で、取り組みやすいとおっしゃいます。また私は、画像を定期的に追って載せるから、術後経過(ダウンタイム)と結果が判り易い訳です。カテゴリー毎に何例も描いているので、平均的で標準的な、中長期的な経過と結果も理解できます。逆に私から言ってみれば、誘引効果が高いのです。
最近”直美”と”転化医”に対しての、糾弾ばかり書いてきました。連中はどういう奴等かと言えば、単純に一言、非形成外科医です。現在美容医療の標榜科目(政令で許可された看板や広告に載せる診療科目名)には、美容外科と形成外科と美容皮膚科があります。なお美容整形は標榜可能な診療科目名ではありません。また美容皮膚科は皮膚表面の診療に限られています。
美容外科と形成外科は、どちらも形態的改善を目的としますが、相違点として、二つのファクターがあります。一つ目、美容外科は正常範囲の形態をより向上させるのに対して、形成外科は外傷や先天性異常などの原因のある形態異常を、できるだけ正常に”修復”することが目的です。実はここが重要なポイントです。その為、形成外科医は様々な生体内の構造を、目で見て経験し、頭に入れ、記憶できるし、正常範囲に取り戻すための解剖学的知識を学び、知識として頭に蓄積されます。そしてその知識と技術が美容外科医療に応用され、医学的な結果に有効となります。簡単に言えば、非形成外科医は美容形成外科医に比べて、医学的知識と技術に格段の差があります。もう一つ、形成外科は形態的改善を、機能的修復とバランスを取って行ないます。なおその限りで、保険医療が適応します。例えば眼瞼下垂症手術は機能的改善を主目的としますから、形成外科分野の保険診療です。ただし眼瞼は表に見える部位で、美容的な形態も留意されるべきですから、美容外科の豊富な経験値を持つ医師が手術するべきです。上の書いた様に、最近私は自分達を、美容外科・形成外科医をくっ付けて、美容形成外科医と称しています。ちなみに日本形成外科学会と日本美容外科学会の両方の専門医を持つ医師は、私を含めて全国で約150名しか居ません。
だから私は、形成外科分野の眼瞼下垂手術と、美容外科分野の目頭切開(Z-形成は形成外科の得意分野)と目尻切開の診察技術にも精通していて、三つの術式を同時に手術して、目の窓の縦横のバランスを造り上げる事が出来ます。これぞ美容形成外科医の真骨頂でしょう?!。今回その症例を初めてブログに載せることになりました。あえて言えば、次の皆さんを誘導することになりました。
症例は55歳女性。2ヶ月前に初診されました。私の書いているブログをたくさんご覧になっているとのことで、来院するなり「結果を覧て、また説明を読んで予習して、美容医療の知識を読んでベテランで面白い医師だと思って、手術を希望して来院しました。」との主訴?です。
カルテを”転記”しながら、私の「見解」を書きます。”眼科で眼瞼下垂症を指摘されました。”「眼科医は眼球の診療、つまり視機能が守備範囲で、眼瞼は得意分野でない医師が多いのです。」「何故なら眼瞼は外から見える部位ですから、形態が重要で、それには美容的見地が必要とされるからです。つまり美容形成外科の分野です。」そう説明します。”開瞼時に前頭筋が常時収縮して、眉を挙げています。”私「知ってますか?。」患者さん「知ってます。」”皺眉筋まで収縮しています。「前頭筋の反作用です。」Chin up, 頤を前に提出することをしています。”「鏡で見たら判りますよね?。」「どちらも眼瞼下垂症の合併症です。」患者さん「へえ〜?!。」
”生来は奥二重で20年前に埋没で重瞼線を拡げて造った。引き上げは残るが弱った。”「奥二重とは第一眼位(顔面を正立しての正面視)で、瞼縁に前葉成分(皮膚と眼輪筋)が被さっている状態です。」「その状態は先天性前葉性眼瞼下垂です。」”さらに加齢で前葉は伸展して、後天性前葉性眼瞼下垂が進行しました。”LF, Levator function=挙筋滑動距離は12㎜と正常下限値で、後葉性(挙筋と眼窩脂肪)眼瞼下垂症は軽度ですが、視力が近視と乱視と現在老視を伴いソフトコンタクトレンズ装用が30年ですと。「後天性後葉性眼瞼下垂症は進行しています。」”フェニレフリンテスト(挙筋力を一時的⦅約2時間⦆強化する点眼で、腱膜性⦅≒後天性後葉性⦆眼瞼下垂症であるかの検査)を施行したら、約1.5㎜開瞼がアップしたので、後天性後葉性眼瞼下垂症が診断され、シミュレーションとなりました。”私「挙筋強化でこの通りに開かせられます。」と宣言しました。
以上の診察から、”眼瞼切開法の手術を適応としました。第一切開線(重瞼線)は既存(前回の埋没)の線約4.5㎜で、切除は4㎜。第一眼位で見かけ上(4−1)÷2≒1.5㎜二重幅が拡がることを、フェニレフリンが効いている間に、ブジーでシミュレーションしながら鏡で見せて決めました。「年齢相応の改善です。」眼窩脂肪のヘルニア状態を用手的(下眼瞼を圧すると上眼瞼が膨らむ)に調べて、除去が求められると診断しました。”「眼窩脂肪は退ける、焼く、切り取るの順に処理します。」
”そこでさらに、開瞼の縦横の比率(バランス)を良好化する希望と、蒙古襞の拘縮解除を求めて、目頭形成を希望されました。患者さん「これもブログを覧ての自己判断に基づく希望です。」早速計測します。眼裂横径26㎜:内眼角間32㎜:角膜中心間57㎜。「眼球が近く、間も離れていないが、横径は小さい。先天性奥二重で蒙古襞の拘縮も強い。」目頭Z-形成の適応です。顔面幅があるので相対的に横径が小さいため、顔面外側の余白が多い。目尻切開の適応も認められます。
上記の診断結果として、三つの手術を同時施行を希望されました。
画像は術前、術直後を並べて開示します。術中画像は最後段に。
上左図は術前、上右図は術直後の正面像。目の窓の改善結果は明らかです。眉の位置も差。
術前、デザイン、術直後の右眼瞼近接画像で比べたら、前葉は挙がってます。
下には毎回載せている机上の図を載せました。目頭部の実物と対比しましょう。
図は左側眼瞼(下の近接図) のZ-形成の机上の線画。図の左側が術前、右側が術後。
説明すると、cabとdbaの二つの三角形を入れ替えてb’d’c’とa’c’d’の三角形になります。蒙古襞の稜線abがa’b’になるのですが、sin60度×2=√3×2≒1.73倍の長さになります。4㎜の蒙古襞が約7㎜になり逆に横方向は、cdがc’d’と7㎜が4㎜となり、蒙古襞は表裏に皮膚がありますから、蒙古襞が1.5㎜退いて、両側で内眼角間が3㎜近づく計算です。
左眼瞼の近接画像で目頭部の術前のデザインは机上の左の線画。術直後の傷の線は机上の右の線画です。
上下列の斜位近接画像では、目尻の位置が変わってます。
手術直後に10分間冷却すると局麻が吸収されて腫脹の亢進を止めます。
翌日他医に診てもらいました。残念ながら48時間までは腫脹が亢進し、内出血も露見してきました。
斜位の近接画像では、右眼瞼腫脹が多いのが観えます。なお目尻にテープを貼ってます。目尻切開のこれまでの症例では、目尻の角(交連部)の糸が内側に向いて、眼球(白目)に触って痛かった人に怒られました。ですから今回は糸を長く切ってテープで止めました。
術後1週間で全抜糸しました。内出血は48時間までに増加しました。患者さん「ブログの通りですね。」と納得されていました。現在黄色くなっています。上右に術前の画像を並べました。目の窓の縦横のバランスが綺麗です。比べたら一目瞭然です。
私「脂肪を焼いたから腫脹が多いのです。一種のやけどですからね!。」と許しを請います。ただし目頭も目尻も経過良好。形態良好です。眼瞼はよく挙がっています。
斜位近接画像で診ると、腫れていても、眼瞼はよく挙がってます。
術中画像はデザインから観ましょう。
開閉両眼瞼部像。上の術前カルテにしたがってます。
眼瞼下垂手術の第一切開線は既存の重瞼線4.5㎜、切除幅は4㎜。目頭Z-形成のデザインは上の机上の図と対比図で見直しましょう。術前の目尻切開のデザインは前葉に隠れてます。
手術開始。まず目頭部を#11surgical knife (メス,mesはオランダ語で医療用語ではscalpel)で切開。目尻は#15knifeで皮膚側の切開だけしておきます。眼瞼は#15knifeで上左図は皮膚だけ切開した後。その後皮膚だけを幅通り切除しました。上右図はその後直下の同幅の眼輪筋を切除しました。中身を取ったら既に寄ってます。
上左図は切除した左右の皮膚(上列)と眼輪筋(下列)です。上右図は机上の図を再掲。

上左図は目頭の二つの三角皮弁=机上の図でのcabとabdを挙上したら、自動的に入れ替わった図。上右図は皮弁を入れ替えて机上の図でのd’点、c’点、b’d’辺、c’d’辺の順に縫合しました。

上左図は眼窩脂肪を退けたがまた噴出してきたので、電気メスで焼いたら出てこないのを確認。 上右図はその後端折ってます。眼瞼結膜側で挙筋を縫縮=LT法、開瞼向上を確認した後。目尻切開は3㎜拡大して、角を電気メスでなだらかに焼いて縫合しました。LT法の糸を皮下に繋げて重瞼固定して、ラインの確認。
当院では、一昨年に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」を遵守しブログを掲載しています。
医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用は、眼瞼下垂症の診断が下されれば保険診療です。3割負担は約5万円(出来高請求です。)です。目頭形成術は28万円+消費税で、目尻切開術は28万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。今回の様に同時手術の場合は、術野が同一でこちらの手間が減らせるので、さらに20%割引します。































