カテゴリー別アーカイブ: 縫合

2016 . 6 . 6

粉瘤!

久し振りに、腫瘍切除術の提示症例です。 粉瘤は私達形成外科医の得意分野です。もう何年か前になりますが、当院の池田欣生先生の左側頭部(こめかみ)の径1㎝程度の粉瘤を私が切除して、ブログに提示したところ、反響がすごく、粉瘤の患者さんが殺到した事がありました。何年も続きましたが、さすがに検索に上がらなくなったようです。 そこで、今回症例提示をご承諾いただけたのを機会に画像提示を再開します。症例は55歳男性。背部に嚢胞があります。 実は本症例は経過が長く、年単位で破裂、炎症、他院で切開を繰り返し、当院には約1年前に辿り着きました。当院初診時も炎症が強く、切開排膿の後に連日清浄化し、閉創しました。最後に私が拝見して、「膿を出して炎症が治まっても、嚢胞(袋)は残るので、まず必ず再燃しま
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2016 . 2 . 19

鼻翼縮小は計測が生命−真面目にしているのに、患者さんは嬉しくて、みんなで大騒ぎ!−

これまでも何回か画像提示してきた切らない鼻翼幅縮小術の症例です。 糸で引き寄せるだけのこの手術は数字がすべてです。毎回説明してきましたが、鼻翼の縮小法には、外を切り取る手術と中を寄せる手術の2種類あり、それぞれに適応があります。 日本人(アジア人全般)では、鼻の高くない人がメジャーですが、その結果相対的に鼻翼幅が広いと余計に目立つ訳です。要するに3次元的な前後量と側方量の対比です。 鼻翼を下から見て、付け根の幅が広い症例では、先ず付け根を寄せる方法が適します。一方丸く張り出しが多い症例では付け根の上を切り取る手術が適しています。 多くの人は(約3/4)、前者が適応です。本症例も数字的に39㎜の幅があり、丸く張り出しているというよりは`ベタッ`と広がっているのが、下から
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2016 . 1 . 28

口周りの手術:口角挙上術と鼻唇角下制術の術後経過と創跡の評価

先月施行した口角挙上術と鼻唇角プロテーシスの組み合わせによる口唇(白唇)短縮術の効果と創跡の状態を見ていきましょう。皆さんも評価して下さい。 もう一度下の4枚の画像を見比べて下さい。上左が術前、上右が術直前のデザイン、下左が術直後、下右が術後1週間で抜糸した直後です。 結果は一目瞭然。いい感じが作れています。術前は鼻の下(白唇部)が間延びした感じ。術後はしまった感じ。キリッとして綺麗な口元です。 もう一度簡単に説明します。鼻唇角とは、鼻柱が白唇部に立つ角度、鼻唇基部とも言います。正確には基部は人中陵と交わる点で、角は側面から見た角度です。角度は90度が望ましく、鈍角(90度以下)だと鼻が上向いている。鋭角(90度以上)だと喰い込んでいる鼻に見えます。近年栄養状態の向
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2016 . 1 . 6

口周りの手術:口角挙上術と鼻唇角下制術の術後経過と説明。

前回提示した口角挙上術と鼻唇角プロテーシスの組み合わせによる口唇(白唇)短縮術の効果を見ていきましょう。年末年始が多忙だった為に1週間目の経過画像が遅れてしまいました。申し訳ございません。なんだかなあ!電車が遅れたときの言い訳の放送みたいですね、お許しください。                        抜糸直後で血液がちょっと付着しています。 何はともあれ、上の4枚の画像を見比べて下さい。上左が術前、上右が術直前のデザイン後、下左が術直後、下右が術後1週間で抜糸した直後です。 一目見て、感じが作れています。術前は鼻の下(白唇部)が間延びした感じ。術後はしまった感じ。キリッとして綺麗な口元です。鼻の下の目に付くポイントは、鼻唇角と口角にあり!。その意味ではよく判る症例で
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2015 . 12 . 25

ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は特殊です。真皮縫合と皮弁形成術Ⅲ:経過を見れば納得!

4ヶ月前に大きなほくろを切除し、皮弁形成術で再建した患者さんが終了診察に来院してもらえましたので、提示します。 上左図の如く、長径12㎜で口の横なので、縫縮すると変形を来す可能性がるため、広報の余裕がある部位からの皮弁形成術で被覆し、変形を回避しました。上右図がデザインです。 上左図が1週間後の抜糸時です。一部抜糸時に出血しています。上右図がその1週間後です。まだ糸の跡が見られます。画像では解りませんが、縫合創跡は硬く触れます。真皮縫合の影響です。 今回4ヶ月で写真を撮らせて頂きました。 ご覧の通り、縫合創跡は赤く見えます。聴くと「時によります。」と優しく患者さんは言ってくださいました。私も合わせて「日によるでしょう。時にもよるのでしょう。血行の影響で
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