入局してすぐに、いきなり講師の先輩医師にこう教えられて、私は道を間違ったかと思いました。「美容外科の患者はおかしい人が多い。精神的にだ。」「そもそも、美容整形は邪道だ。」
美容外科の申し子で、形成外科に入局したのは将来美容外科をするためであろう私に対して、いきなりこんな罵詈雑言を浴びせたのでした。いや別に私に向かっていったのではないかも知れませんが、非形成外科医で美容整形上がりの美容外科医の子である私のスタンスを、形成外科側に引き入れる目論見でもあったのでしょうか?、それとも単に美容外科を知らないだけなのか?、嫌いなだけなのか?。いずれにしても、美容外科を貶める説でした。私は形成外科に入局してすぐ、場違いな雰囲気を感じました。
でも逆でした。これは自分たちが美容外科をできない。患
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美容医療の神髄20-歴史的経緯第20話- ”口頭伝承話”その20
卒業時に入局のために面接を受けるのは当然ですが、私は当然の様に受けました。ここからは自分史でもありますが、形成外科・美容外科の世界に身を置くことになる訳ですし、元祖美容整形屋の父とは、軋轢を生じながら、共に美容外科の世界を生きていくことになるのです。
新しく社会に出るスタート時には、誰でもそうでしょうが、不安と期待に染まっている筈です。面接の内容はもちろん覚えていませんが、同期で受けた4人は合格しました。当時は大学病院に入職して研修医になるには、定員等は無かったようです。その2年前には8人入局しましたし4年後は11人入局しました。北里大学形成外科は、全国的でも有数で症例数も多く、一部美容外科も診療していたし、関連病院が多いために働き所が多く人気だったのです。
いよいよ昭和62年6
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ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は特殊です。―真皮縫合と皮弁形成術Ⅱ―
前回は、真皮縫合についてゴチャゴチャ説明しました。判りにくかったかも知れませんが、大事なことです。私達形成外科医が切除縫合手術をすれば、創跡が見えなくなる手術法のキーポイントです。
この分野に於いては、他の科目の医師とは格段に差があります。 逆に言えばほくろを取るのでも、私達形成外科医が手術するなら、恐くもないし、目立つ跡にはなりませんから、ちゃんと選んで頂きたいものです。
基準はプロフィールで形成外科の経験が6年以上=前回書いたのですが、私は(平均的に)6年目にやっと真皮縫合が出来る様になると思っているからですし、形成外科の卒後研修カリキュラムでは、6年目までに一通りの手術法を学ぶ様になっていて、7年目に専門医を申請する様になっているからでもあります。
ところで、「ほくろ
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ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は特殊です。―真皮縫合と皮弁形成術Ⅰ―
3週間前に先天性母斑(生まれつきの黒あざ、ほくろの一種)を切除し、皮弁形成術で被覆し、しっかり真皮縫合をした症例患者さんの経過写真を撮らせてもらいました。
まずは患者さんの約束もあって、創の経過と真皮縫合による創跡の経過を説明します。
創とは、皮膚が離断または欠損した状態です。身体は外から、表皮、真皮、皮下組織、筋膜、筋の順に層を成しています。
表皮層は細胞が積み重なり、厚さは0,2〜0,4㎜。創になると細胞は分裂重層や遊走(分裂した細胞が横方向に押し出される)して表面を閉じます。通常縫合した創の隙間を数日で跨ぎ、塞ぎます。表皮層には血行はありませんが、滲み出た液で栄養されます。表皮細胞は表層にいくと、脱核して細胞で無くなり、包み紙であるケラチン蛋白の塊になります。
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眼瞼形成術の切開法は、美容形成外科専門医で受けましょう!。4週間では、経過中。
切開法が難しいのは、ダウンタイムが長いため、形態と機能の完成を見るまでの期間が長くなり、結果の評価がなかなかできないためです。今回は経過を追ってみました。
上左図が術前 上右図が術直後
術前は奥二重というか狭い二重。開瞼は力を入れれば充分ですが、力を入れ続けることは出来ません。術直後は腫脹が強い方でした。よく見ると、挙筋を締めて重瞼を止めた2点ずつが凹んでいるのが見えます。
上左図が1週間後 上右図が2週間後
1週間で抜糸しました。まだ、内出血のあとが所々に見られ、なんか紫茶色っぽい。でも翌日からメイクしていいですよ。次の週にはメイクしていらっしゃいました。腫脹がさらに軽減して、二重まぶたの見た目
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