ボトックス=ボツリヌス菌毒を局所での神経筋接合部遮断のために薬剤として用いる場合このように言うことにします。(ところで他に使うとすると兵器ですが、実用化しませんでした。それにこれも全身的ですが、神経筋接合部遮断作用を求めての開発でした。)
Ⅰ:ボトックスの咬筋への使用の症例の提示から、Ⅱ:ボツリヌス菌の生物性に話が飛んで、Ⅲ:人体への薬剤としての応用。と話がやっと進んできました。
今回は、症例提示ではないのですが、長年使ってきた私達の使用法=適正量を部位別に細かく説明していきます。
量=濃度=作用分子数ですが、分子数がいくつかは直接測れないので、作用量として国際単位が世界的基準として設定されています。International Unit といい、IUと略され、医療者間では通
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数少ない目尻切開症例
目頭切開はこれまでも多く症例提示してきましたが、目尻切開の症例提示は初めてです。それだけ適応症例は少ないのですが、その理由と適応の説明もします。 まずは症例提示です。
実は画像的には、これだけです。今回は右のみの手術です。実は2回目の手術です。「って言うことは1回目がヘタこいたんじゃあないか?。」と、いわれても、言い返せません。そこんとこは後で言い訳します。二つのポイントがあります。今回はよく注意して手を加えたし、結果が得られていると思います。
症例は、34歳女性。さらに実は以前に他院で目頭切開を受けているため、眼裂横径30mm、内眼角間距離は31mmと日本人には珍しい値になっています。ただしよく見ると、外斜視です。正しくは斜位といいます。ちょっと説明が必要ですね。斜視は両眼視
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小顔とは?Ⅳ-ボトックスについてⅢー
ボツリヌス菌毒は、今世紀になってやっと、医学的に実用化が為されました。イギリス製のダイスポートと、アメリカ製のボトックスです。どちらも普及していますが、アメリカで歌手や俳優を使って宣伝されましたから、世界的にも、”ボトックス”といえば通じるので、こう称します。
医学的使用は、美容医療上の使用が喧伝されていますが、もともと広い分野で求められていました。局所の神経が筋に接続する部分=神経筋接合部を遮断する作用は、様々な疾病に有用なのです。もう一つ大事なことがあります。ボトックスは切れる。必ず戻る=可逆性があるのはなぜかというと、末梢神経は枝分かれによって再接合というか再挿入されるからです。標的となる神経筋接合部の間に挟まったボトックスの分子は、電気信号を遮断します。挟まったものは永久に取れ
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小顔とは?Ⅲ -ボトックスについてⅡー
ボトックス(BTXと略します。)とは、多くの方がご存知だと思われますが、ボツリヌス菌という生物が出す化学物質で、神経が筋肉に差し込まれる部分に挟まって、神経を流れてきた電気信号が筋肉に伝わらなくするという物質です。タンパクですから、生物しか作れません。しかし、数少ない生物しかこれを作れません。ボツリヌス菌はそこら辺の土壌の中にいくらでもいる生物ですが、こいつに生産させた神経伝達遮断物質を純粋な成分として取り出すのが難しかったのと、保存が難しかったので、薬剤としての製造を試行錯誤されていました。実は、生物兵器としての研究が先行していたのは、御多聞にもれません。歴史上兵器開発が科学の進歩に最大の貢献してきたのは誰もが知っている事と思います。しかし、上記の理由で兵器としての有用性はありませんでした
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小顔とは?Ⅲ -症例経過提示とボトックスについてⅠー
お約束通り、小顔の症例の2か月後と、ボトックスの説明をいたします
まずはもう一度、咬筋のボトックスと、脂肪溶解注射の経過の写真をお見せします。
術前術後1ヶ月
いかがでしょう。顔面下1/3の幅が明らかに細くなっています。
前回小顔とは?Ⅰで説明しましたが、顔面の大きさは横幅です。そして、上、中、下の3点で評価します。つまりこめかみ、頬骨、エラのそれぞれの幅を、絶対値、相対値で評価するとどこを修正していくべきかが診断されます。前にも言いましたが、骨、筋、脂肪の3要素を使い分けます。
今症例では、下顎角部の幅が100㎜を超えていて、頬骨最大幅も135㎜を超えているのですが、頬骨部は骨の幅ですから、修正が難しい部位です。それに髪で隠せます。それに比して、下顎角部は骨の
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