2017 . 4 . 26

当院の黒目整形は他院での手術後症例を改善できます。

3ヶ月前に他医での手術後の修正を求められました。ブログでの啓蒙活動が功を奏していると感じます。有り難い事ですが、施術者としては難しい症例が増えて来て、プレッシャーが掛かります。良好な結果が出ればやりがいを感じさせます。その結果今回の症例は丁度いい経過を提示できそうです。今回術後3ヶ月で終診とするか来院されました。

症例は20歳の女性。先天的には一重瞼で眼瞼下垂状態を認識していた。3年前に眼科医院で切開手術を受けているが、重瞼は外れた。見ての通り下垂も残存しています。眼球位置は、角膜中心間距離60mmと平均値であるのに対して、内眼角間距離が39mmと離れている。眼裂横径も24mmと小さい、つまり蒙古襞が被さっているし、その結果突っ張り(拘縮)が強いために開瞼を阻害している典型的な症例です。実は挙筋筋力(滑動距離)12mmと正常範囲であり、先天性筋原性(筋力低下)眼瞼下垂ではなく、フェニレフリンテストでシミュレーションすると充分に開くため後天性腱膜性眼瞼下垂状態を呈していると考えられる。前頭筋が常時収縮していて、眉毛が挙がっている。それが見た目に嫌なのでかどうかは判らないが眉を書く為に眉毛は剃っているのでしょうか?。なんか可哀想な気がします。その点も黒目整形で解消出来るといいですね!

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ラインは前回のラインで仰臥位で瞼縁から5.5mmとし、切除幅を3mmとしました。この幅が術後問題となりました。内側まで同幅にデザインし、1辺4mmのZ-形成のデザインに連続させました。下の図で目頭を越えて切除デザインが描かれていますが、その下にZ−形成をしているので蒙古襞の被さりが1.5㎜どけたらその上に重瞼線が来る様にデザインしているのです。Z−形成の縦線は蒙古襞の稜線に沿っていて、下の線は開瞼時に僅かに見られます。

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術直後の写真を下左図に載せます。右は術後1週間の抜糸後です。

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続いて術後2週間。そして下右図は現在で術後3ヶ月目の画像です。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回術後3ヶ月目には、眉を伸ばして書き足して撮影に来院されました。本当ですか?、私に気を使ってメイクして来て下さったのでしょうか?。眉が下がってはっきりした目元が魅力的です。

続いて現在の左右眼瞼の近接画像です。カメラ目線なのはいいのですが、近過ぎて寄り目になってしまいました。さらにギョロッと目をみ開いて下さいました。

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機能的には間違いなく開瞼が得られました。術直後は麻酔の影響が残っているのが原因と考えられ、開瞼が見られません。局所麻酔は皮膚面からと眼瞼結膜側から注入しますが、通常皮膚側からは主に眼輪筋に働いて閉瞼を阻害します。術後経過は通常のコースで、抜糸時には内出血がありますが、術後2週間で解消しよく開いています。前頭筋の癖が残りますが、3ヶ月目の撮影時には自然な表情でした。

形態的には瞼縁の内側が下がっていたのが明らかに改善しています。黒目(角膜)の上に水平に掛かってはいませんが、内側に向けての傾斜は術直後から徐々に改善しました。アジア人では一重瞼に伴う眼瞼下垂症と蒙古襞の強拘縮が原因となり内下がりになる人が多いのですが、当院で行なわれるZ−形成術では二重瞼に相応しい自然な、吊り目でない目元を作り上げられます。

ところで皮膚の被さりが気になりますか?、患者さんは一時は気にされました。実は重瞼線(切開線)は前医(眼科で設定)の線を使っています。変えたら線が二本になっておかしいからです。上に記載がある様に5、5㎜のラインです。切除は3㎜としました。これまでに述べて来ましたが、アジア人では解剖学的に瞼板の上縁で挙筋腱膜の枝分かれが前方に出ますから、最高で7.5㎜の二重瞼になります。いや、だから7.5㎜の二重瞼が理想型です。ではそれ以下ではいけないかというと、所謂奥二重になりますが、それは自然状態で存在します。今回はそうなりました。そう前医のせいです。この場合皮膚切除は追加すれば見かけ状の(開瞼第一眼位時)重瞼幅を広げられますが、わざとらしくなります。私は20歳代では、先天性眼瞼下垂症で前頭筋の収縮が強い例を除いては、3㎜以上の切除をしません。取りすぎて閉瞼不能になるとやばいからです。そのような症例に植皮をした事もあります。逆に追加切除は可能です。今回追加切除を提案はしましたが、患者さんは現在不要と言って下さいました。それが証拠に、撮影時には、可愛く装い登場されました。撮影時の表情も決まっています。自信が持てたと推察します。顔面全体像を提示出来ないのが残念です。

もう一度術前と術後3ヶ月を比較して下さい。

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蒙古襞の拘縮が原因で吊り目になるのは皮膚性の要素は目頭切開=Z−形成法による蒙古襞の拘縮解除術で除去出来ます。術後経過をご覧いただくと、術前と術直後では明らかに内下がりが改善していますがまだアーモンド型ではありません。術後に週を追う度に、内側方面の眼瞼が挙がって来ています。画像を追うと見えますよね。

本症例は、眼科で眼瞼下垂手術を受けた後に改善度が不足したケースです。昨今の眼科医は大学等で研修する間に眼球の診療つまり視機能の診療を主体に勉強します。眼瞼の診療は二の次になる医局がほとんどです。ですから眼科医で眼瞼下垂症の手術に精通している医師は稀です。そもそも創の取り扱いにも美容的観点が欠けるためきれいな結果を出せない眼科医が多いのです。創のことは形成外科に任せろです。かといってチェーン店の美容整形外科屋には、眼瞼下垂症に対する機能と形態の両面からの診療を出来る訳がありません。見ての通りコマーシャルしているくらいですから、彼等のしているのはメディシン;医療ではなくビジネス;商売です。美容外科と形成外科を共に研鑽して来た医師は本邦には数少ないのです。私達はその100人に満たないうちの二人です。これまで永らく、日本の医療における診療科目の標榜制度の不備を訴えて来ましたが、数年後にやっと実りそうです。その件は歴史秘話で説明が進行中です。