2017 . 5 . 17

キラリ!として可哀想でなくなりました。

今回の症例は典型的な一重瞼で先天性眼瞼下垂症。蒙古襞の拘縮も強く、Puffy eyeで腫れぼったい。若くして前頭筋が常時収縮して眉が挙がっています。まずは下の術前術直後の画像をご覧ください。術前は可哀そうな感じです。術直後はキラリとして普通の顔になりました。普通とは何かは下段出説明します。

症例は24歳、女性。先天性の一重瞼=先天性の皮膚性眼瞼下垂症。挙筋機能=挙筋滑動距離:11mmと低下がみられる軽度の先天性筋性眼瞼下垂症。角膜中心間距離58mm(平均60mm)と離れていないのに、眼裂横径24mmで内眼角間距離36mmと目が離れている。つまり蒙古襞の被さりが多い。その結果蒙古襞が縦に突っ張っている。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA術後1週間で抜糸しました。

用手的な下眼瞼圧迫で上眼瞼全体が膨らむので眼窩脂肪ヘルニアが判ります。フェニレフリンテストでは十分に開く。筋力の低下は横径が小さいからで、先天性筋原性眼瞼下垂ではないと考えられました。

上記の如くの現病歴と現症なら、いつものやつ:眼瞼下垂手術切開法と4mmのZ-形成法での目頭切開の適応です。デザイン:アイプチでしわがいくつかあり、下のライン3.5mm幅で3.5mm幅の切除を予定しました。眼窩脂肪は処理する予定としました。一辺4mmの60度のZ-形成を蒙古襞の下端から稜線に沿ってしました。

術前、術直後、術後1週間の近接画像を並べます。

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術後経過=ダウンタイムですが、術直後、術後3日目、術後1週間と経過を追ってみました。一部に内出血が見られます。腫脹は48時間がピークですから、真ん中の画像が腫れています。術後1週間では軽快中です。眼窩脂肪はやわらかい脂肪なので、焼いたり切ったりして侵襲を加えるとすぐ浮腫みます。腫れぼったい瞼を手術したのに、手術後も腫れるのです。必ず引きます。術後2週間はかかるつもりで予定を立ててもらいます。

本症例では様々な異常を伴っているので一つずつ説明します。

まず一重まぶた、何度も言いますが一重瞼は人類の正常な構造ではありません。ホモサピエンスがアフリカで発祥した際の人類は二重瞼でした。直立歩行の人類ではその方が視界が広くて有利だからです。2万年前に北東アジア(シベリア方面)で遺伝子が突然変異し、その後東アジアに一重まぶたの遺伝子が蔓延しました。概算で現在東アジア人の半数が一重まぶたを発現しています。人類70億人のうちの10億人弱です。マイノリティーです。先天性異常に対しては差別するのでなく、治せる事は治してあげるのが反差別です。

蒙古襞は一重瞼に伴う異常です。東アジア人では一重瞼の遺伝子に伴って蒙古襞の遺伝子も蔓延しています。重瞼は一重から二重まで引き込みラインに連続的なバリエーションがあり、東アジア人では8㎜が最高です。白人は11〜13㎜です。そして東アジア人では、蒙古襞の被さりとその結果としての拘縮の程度にも連続的なバリエーションがあります。さらにその程度は重瞼線の高さに比例しています。ですから先天性皮膚性眼瞼下垂症である一重瞼を、二重瞼という正常な構造にしたなら、蒙古襞の拘縮も改善しないと不自然な形態と機能になります。

先天性筋性眼瞼下垂症は挙筋機能=挙筋滑動距離で診断します。8㎜以下の中等度から重度の症例で、正面視で角膜中心が隠れている新生児に対しては乳児期に吊り上げ手術が行なわれますから、当院には初回例は来ませんが、軽度の症例や片側の症例ははよく来ます。また、先天性皮膚性眼瞼下垂症である一重瞼の症例では、瞼縁が隠れているため筋性眼瞼下垂の存在に気付かないでいる場合が多いのです。ですから、一重瞼で先天性筋性眼瞼下垂を伴っていても放置されて来た症例が多いのです。当院ではちゃんと見つけて差し上げます。

この様に本症例では様々な先天性異常を治しました。いろいろな手技を加えたため、腫脹が遷延しています。今後の経過を診ていきましょう。

Puffy eyeは膨らんだ腫れぼったい目元と訳します。本症例は眼窩脂肪ヘルニアですから、ホンチャンのpuffy eye です。眼窩脂肪ヘルニアはそう多くは存在しません。診察してみると、腫れぼったい眼瞼の中で眼窩脂肪ヘルニアの状態の人は30%以下です。眼窩脂肪ヘルニアとは、瞼板上縁より下に眼窩脂肪があるというだけで、量の問題ではありません。量が多くなくても、邪魔になるならとるしかないので、それは開いてみなければ判らないことです。本症例は術前に明らかにPuffy eyeで診察時に下眼瞼圧迫で眼窩脂肪ヘルニアが診られました。