2017 . 7 . 20

術後5か月で来院した可愛くて素敵な患者さん。

可愛くて素敵な症例患者さんの術後5ヶ月の画像をいただきました。特別にブログに掲載の承諾もしてくれました。通常画像提示は3ヶ月まで契約していますが、今回特殊ケースです。何故かと言うと、紹介患者さんを連れて来て下さったのですが、それはお姉さんで彼女も同様の条件での診療内容になりそうですから同伴されました。そこで撮影もお願いしたのです。5ヶ月での症例画像は余りないのですが、患者さんはとても良い女性ですから、お悦びの言葉を口にします。画像ではいかがでしょう?。記事内容は一部コピペして記します。

5ヶ月前ですから、診療内容をもう一度記します。患者さんは22歳、女性。先天的には狭い浅い二重瞼。3年前他院で埋没法(画像にある様に狭く浅い)。ソフトC.L.を1年間装用した。埋没したら右の下垂が露見したとのこと。肩凝り、頭痛も生じてきて自ら眼瞼下垂症を疑われたそうです。LF14mmと正常範囲だが、MRDは2.5㎜と落ちている。後天性腱膜性眼瞼下垂症でした。眼裂横径25mm、内眼角間34m、角膜中心間57mm。蒙古襞の被さりは多くないが、眼裂内側方面が挙がり難い、蒙古襞による拘縮を呈している典型的なケース。他院で埋没法を平行のラインにデザインされているが、緩んだし目頭付近の引き込みが消えた。この蒙古襞では、それが典型的な経過です。フェニレフリンテストではよく開くので、LT法で挙筋修復が適応する。埋没法ではこのラインは外れ易い。蒙古襞の拘縮が邪魔をしているため、ラインが浅くなる。

という訳で5ヶ月前からの画像を並べます。上左から術前、術直後、術後1週間、術後2週間、術後4週間、術後3ヶ月です。

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下が今回撮影した術後5ヶ月の画像です。折角なので倍サイズで載せます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

術前は皮膚が被っている皮膚性眼瞼下垂状態で、蒙古襞が拘縮していますから、吊り目でしかも子供っぽくて、ぼやけた雰囲気です。アイメイクすれば何とかなる様ですが、野暮ったさは残ります。開瞼時前頭筋が収縮する反射運動を伴う為に眉が挙がっているので、目元がぼけた表情になります。

術直後は、さすがにキツい感じになります。第一に、開瞼時に全く眉が挙がらないからです。第二に、前葉が腫れて瞼縁に被さるから睨んでいる様に見えます。第三に、糸が瞼板にかかっている点が見えますから、瞼縁がカクカクしています。此れ等の形態的機能的変化は皆起きます。48時間後がピークです。この数日はどう見てもやった感が見えます。

術後1週間では、腫脹がまだ明確に残っています。48時間のピークから引き始めますが、ピーク時の50%程度は残っています。どんな手術でも(埋没でも)侵襲を加えれば腫脹は起きます。程度の問題ですし、個体差はあります。48時間後がピークなのは変わりません。本症例は若年者に対する切開術の標準です。1週間で抜糸をしました。そもそも開瞼時には糸は見えません。ただし抜糸しても創の赤い線は見えます。「術後1週間で抜糸したら、メイクしてカモフラージュして下さい。」と申し上げました。

術後2週間ではお願いした様に、メイクして撮影させてもらいました。とても綺麗です。メイクはcamouflage(変装)ですが、女性にとっては化粧は`装い`の一つとして欠かせません。比して手術による変身は形態的改善が永久的で、しかも機能的改善も図れるのが長所です。そして、前後関係を勘案すれば、これは再建手術です。本症例の患者さんは頭痛等の眼瞼下垂症に付随する症状も解消しました。つまり生体の健康面にも改善が見られました。

術後4週間の画像は、お忙しい中撮影させていただきました。メイクは軽くしています。やはりまだ、腫脹が見えます。本当にすっきりするのには3ヶ月かかるものです。代わりに笑顔を作って下さいました。優しくて可愛いですね!。4週間ではノーメイクではまだ目頭部に創跡が赤い線で見えますが、この後見えなくなっていきます。

術後3ヶ月では完成とします。腫脹は消失し、ラインは定着し、開瞼は良好です。撮影時は目力を入れて写ってくれました。これはこれで美しいというか、キリッとして知的に感じさせます。一流大学生ですから似合います。この頃は就活中だった様ですが、私が「目力は使えるでしょう?」と問うと、にこっとしてお答えになりませんでした。

さて、術後5ヶ月では画像上の変遷はありますでしょうか?。形態的にはダウンタイムをやり過ごした術後2週間で、メイクすれば魅せられます。術後3ヶ月では軽いメイクでも映えて気にならなかった様です。創跡はやはり3ヶ月で白くなって気にならなくなったそうです。機能的には開瞼がオーバーなのは1週間以下でした。開きやすくなり、眼瞼下垂症状は消失しました。機能的手術ですから。では術後5ヶ月でのイメージは何が?。下段迄に考えます。

もう一度近接画像で経過を確認しましょう。左から術後1週間、術後2週間、術後4週間、術後3か月、術後5ヶ月の上段は右眼瞼で、下段が左眼瞼です。

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経過は判りますよね。開瞼の程度は撮る度に患者さんが調整しています。重瞼は綺麗に入っています。幅は開瞼に逆比例しますから、撮る度に変わります。開瞼は確実にアップして目力は出せますし、知性的と言うか?。気品を感じさせます。どの画像も美しいのですが、好みもあります。毎回画角と露光と表情が統一出来ないので動画が欲しいところです。

美容外科治療は形態的改善を、形成外科治療は機能的改善を図る目的を持ちます。目がパッチリしていると心の美しさを感じさせます。美しさは、豊かさです。社会的な豊かさです。人生をプライドを持って豊かに過ごすことです。

本症例ではこのように叙情的内容に終始しましたが、画像上最良の経過と結果を提示してきましたから、この後の患者さんの多くが”綺麗な例”として引用します。5人に一人は口にします。では何がそうさせるのでしょう。患者さんのタレント性(特性)が高いからでしょう。

今回術後5ヶ月で何かが変わって見えます。多分社会性の成長により落ち着いた精神性を魅せて来ました。目力の入れ方が優しい強さを魅せています。訊くと、いい所に就職は決まったそうです。私が「目力がものを言ったでしょう?。」と手前味噌な事を言っても、患者さんは「そうですね。」と泰然としています。そりゃあそうだ。知性を身に着けて来たのは本人で、私は外面を魅力的にする事で、内面的能力が高いと見られる様にしただけです。ただし機能面では、眼瞼下垂症の副症状が消失して生体の能力が安定した結果、精神的にも安定したのでしょう。眼瞼下垂症に合併する付随症状の説明はこれ迄に繰り返し書いて来ましたが、肩こりや頭痛は辛く、精神的にも弱ります。こうして治ると、やはり私は力になっているのだと思いました。精神的に安定して知的雰囲気だけでなく可愛い所作が見られます。標題に”素敵”だけでなく、”可愛い”と加えました。

もう一度デザインを簡単に説明します。ラインは前回の`平行型`のラインで7mm弱とし、しわに沿わせながら眼球のカーブに合わせます。切除は最低限の2mmを目頭から目尻まで同幅で引きます。平行型のラインの延長線上に、蒙古襞に平行に襞の下の付け根から4㎜の縦辺を引き、60度のZ型を一辺4㎜で書きます。目尻より外のデザインはしわに沿ってTaperしていきます。下の画像が手術直前のデザイン後の開閉像です。

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このデザインは、このブログでこれまで載せて来た症例と基本的に同じで定番となりました。切開法で眼瞼下垂手術に重瞼術を併施するなら、形成外科の研鑽を積んだ美容形成外科で受けましょう。また本来一重瞼の人は蒙古襞の拘縮が強く綺麗な二重瞼ができないから、拘縮を解除する必要があるので私たちの行っているZ-形成法が適しているのです。本邦でこのデザインの経験が豊富なのは当院だけです。間違っても三日月型切除は受けないで下さい。

デザインを再掲したのは、お姉さんのためです。今回のブログの頭に書いた様に、本症例の患者さんはお姉さんに同行されてきました。ですから今回の診察はお姉さんがメインです。診ていくと、やはり同じ診察結果になりそうです。もちろん本症例患者さんの経過を見て来ていますし、患者さんの結果が良好なので推して下さった様です。良く診ていくと、やはり目元の要素は似ている訳で、手術内容は同じとなるでしょう。ただし計量的にミリ単位の差はあるのは当然です。その部分はぬかり無く、ちゃんと診療して行きますからご心配なく!むしろ御姉妹で安心して受けられるのでお待ちしています。多分お姉さんもモニターになられると思います。その際は本症例の患者さんにも承諾を頂きたく存じます。

今回の症例患者さんは良く理解していらっしゃいました。知性派ですから。私は毎回唱えてきました。良好な機能は自然な(二重瞼が自然です。)形態に宿り、美しい形態は適切な機能を呈します。その点で全く上手く言っている症例でした。