2019 . 10 . 8

美人なのに可愛い女子。美容医療に理解が深い。素敵な患者さんです。眼瞼下垂手術に切れ長整形の併施。

いきなり手術のプランを立てた患者さんです。充分に時間をかけて診察して計測して、手術の適応を検討しました。実は逆に、これまで幾つかの部位を治してきたから、治すべき部位は限られます。そしてだから綺麗で素敵な顔立ちです。今回はひとつずつ、懸案事項を治します。

症例は36歳女性。8年来のこれまでの経過は多岐に渉ります。内容は割愛します。今回5年ぶりに来院されました。これまでの結果には満足されているからです。

早速いろいろな治療について相談されました。若年時から他院でも罹り、その後私たちも長らく診てきた患者さんですが、さすがに年齢的に治したい部位が生じたそうです。それと懸案だった顔面と目の窓のバランスも手を付けようとなりました。

いろいろな面を診察しています。*眼瞼の窓:内眼角間距離32㎜:眼裂横径30㎜:角膜中心間距離65㎜、頬骨最大幅136㎜であり、身長は高いがそれにしても幅がやや大きい。つまり目尻の外側に余白が見られる。目尻を3㎜切開で1.5㎜戻って丁度良いバランスであり、ご覧の様に垂れ目ではあるので水平に切開が適応。*眼瞼ラインはNILT=切らない眼瞼下垂手術=黒目整形が緩んで開瞼低下した。NILTで可能かとは考えられる?。翻転すると瞼板の陥没は見られない。つまりLT法の効果は薄れている。もし切開なら同時は難しく2週間以上空けて。皮膚弛緩が診られるため、中間のラインで切除3㎜。*アンチエイジングとしてJowl liftの適応。頬前の丸みは下垂が診られず頬骨幅を強調してしまうから、こめかみからのリフトは不適応です。口周りは可愛くできているから、下顔面の弛みだけが見える。

上記の診断の下、手術プランを立てていく事になった。#NILT2点法では皮膚余剰が取れない。いつかは必ず戻るので、#切開法も考慮しておきたい希望。#目尻切開は懸案事項だったので先行したい。#アンチエイジングは3Dリフト+コグ糸4本=Jowl lift

Jowl lift と目尻切開の記事はこれまでの回で見られます。今回の盤では結果だけ載せ、眼瞼部だけの経過を見ながら説明します。

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目尻切開術の結果顔面幅とのバランスが変わり、結果として目力が入って、キラキラしています。たぶん、明るく魅せる外面的美人はタレント性が高くて内面的に美人だからでしょう。患者さんの容貌に対する要望が私の考えと一致して、素敵な結果が得られています。スレッドリフトの効果は後戻りはしますが、程度として少ない方でしょう。下顎縁を見ると、右のJowlに凸がわずかに見えますが、左は見えません。撮影角度の問題かも知れませんが、術前の丸い下顎縁がシャープに美しくなったの保たれています。

そして目尻切開術から3ヶ月の経過を見て傷跡も落ち着いたので、眼瞼下垂手術と切れ長整形の手術が行なわれました。当初切らない眼瞼下垂手術も検討しましたが、今回は切開法で定着させたい希望と、切開を延長して切れ長整形を併施する希望を戴きました。本症例の患者さんは白人の美人顔でゴージャスなので似合うに決まっています。

何より有用性の高い美容的観点を持っています。患者さんも「なんか合うのよね。」私も「○○さんが提案する治療は適切で美容的に理解が深いからです。それにバランスを取って治療を進めているから美的に向上することしか起き得ません。」患者さんに「そうそう先生はよく判っているから安心です。」とお褒めに預かり、私はニコニコ(ニヤニヤ)しながら手術していました。

画像を提示する段です。見ていきましょう。

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上に術前眼瞼部二葉。力を入れていない図と開瞼力(目力)を入れてくれた図。

IMG_3319デザインは通常の切開と切除3㎜、に続けて外眼角部を約1㎝超えて、眼窩骨外側縁まで同じ幅で切除していきます。ラインはこれまで埋没糸が何本か入っているので、選ぶのが難しかったのですが、中間線で余計な糸も除去します。

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術直後は腫れます。上の術前で見られた様に、目力の入れ方で開瞼幅が変わるのですが、術後は力を入れなくでもよく開いています。切開縫合線は目を開いていれば折れ返りにあり見えませんが、さすがに外側は引き込みが弱いので糸が見えます。抜糸すれば赤い線になり、いつかは白い線になります。その際見えるかどうかは、引き込みの強さ次第です。

近接画像で説明します。

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そもそも、埋没法で何回か変えていたので、重瞼線が多数ありました。開瞼力を入れないと引き揚げられないので線が見えます。日常的にこの程度の開瞼でした。左眼瞼の下から2本目のラインと上のラインの中間線を切開線としました。

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術直後は、オーバーに開きます。でも重瞼線は1本になります。切除して皮膚と眼輪筋の余剰を減らしました。眼瞼挙筋は縫縮しましたから、よく開いています。

さて外側重瞼術です。正式には外眼角部重瞼術でしょう。切れ長整形というニックネームがわかりやすいかも知れません。骨膜固定法が用いられますが、私の考案したオリジナル手術です。

眼瞼形成術に於いて、重瞼線は自然なカーブに沿ってデザインすると、目尻から外側は瞼縁に沿って下へ流れるラインにしかできません。切開縫合線は重瞼線にあれば目を開いていれば見えません。目を閉じても、私達形成外科医が丁寧に縫合すれば白い細い線なので判りません。私の手術した患者さんのうちの多くは、月が経つと術者である私も見出せなくなるくらいです。

重瞼の引き込みは折れ返りではなく、埋没法がそうな様に引き込みです。前葉(皮膚、眼輪筋)を後葉(主に眼瞼挙筋)に繋げて挙筋の挙上力を前葉に伝達すると、あくまでも作成するのは点ですが、点が繋がって前葉が線状に引き上がりその上の皮膚は被さるから折れ返ります。埋没法は糸で繋ぐだけで糸を内蔵しておきますが、糸は前葉から抜けてしまうから重瞼が効かなくなることがあり得ます。理屈の上からは避けようがありません。切開法でも点で止めます。でも止めた点付近に瘢痕ができて人間の身体がつなげる様になり永久的です。自然な二重まぶたの構造に変えるのです。

通常目尻を超えたあたりからは重瞼の引き込みは浅くなります。だって、相手が居ないからです。眼瞼挙筋は上眼瞼の幅が22〜30㎜の中の中央部分に幅20㎜以下しかありません。もちろん目尻より外側にはありません。でも前葉が余って垂れているから外側に向かって浅くなりながら消失します。そしてあくまでもカーブに沿っているので下に流れます。日本人をはじめとしたアジア人では、白人や黒人に比べて、重瞼が狭いか無いので外側の前葉は垂れ下がります。

切れ長の目とは本来開瞼高に対して眼裂横径が長めな目の窓を言いますが、眼裂横径は生来のサイズで手術で変えられても限界があります。さらに外側部分の前葉が被さっていなくて重瞼線が横に向けて流れる人も少数いて、目の窓が横長に見えることから、これこそが切れ長の目と言われます。そこでそういう形を作りたく頭を悩ませました。

今から15年くらい前に銀座美容外科医院の患者さんに相談をされました。男性だったと思います。外人顔にしたいので切れ長の目が欲しいと言い出しました。父と考えてパッと閃きました。「骨に止めてみよう!。」私は形成外科医として多数の頬骨骨折に対する整復手術をしていました。頬骨骨折はトライポッド型,Tripod(海岸にあるコンクリートの三角の消波ブロックのこと)で三点が外れますが、そのうちの1点は眼窩骨外側で、ここをよく見ました。縦に棒状に凸の皮下直下にあります。ですから止められるなら目を開いたときには引き込まれるのでは無いかと考えました。

本症例は目頭切開&目頭形成術を受けていて、先日目尻切開をして両外1.5㎜拡大して眼裂横径は現在31.5㎜ですが、目頭の涙湖の露出度と目尻の浮き具合からして限界値です。そこで切れ長整形の最も良い適応です。なぜなら身体はゴージャスな上に顔面の幅からしてまだまだ外側の余白を減らす余地があるからです。日本人をはじめとしたアジア人では、顔が大きいか目が小さいので、顔面の幅の5等分以上に大きい目の人は数少ないのですが、白人や黒人では普通です。今回顔面幅の計測値を忘れましたが、バランスを取りながら白人の目元に近づいています。

まだ経過中ですから、近々もう一度そのあたりの評価ができることと思います。

そして術後1週間の画像で評価を頂きました。

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アッ、何故か開瞼に左右差!。右外が弱い!。切れ長の引き込みにも?!。IMG_3281IMG_3284

切れ長の引き込みにも左右差!。今回はPRPやリフトの経過も兼ねて全顔の画像を戴きましたから、斜位像を診ると、目尻から外の重瞼の折れ返りにも左右差が視られます。でもこれは織り込み済みです。切れ長整形は強さの調節が難しいのです。これまでにもブログ提示してきました。

切開眼瞼下垂手術の挙筋前転が右外だけ弱かったのと、右の切れ長整形の固定がちょっと弱いのです。実は術前に予告していました。これまでにも、何回か強さを調節した患者さんがいらっしゃいます。そういう手術なんです。だから患者さんと医療サイドの信頼関係が深く、術後の経過観察に再診に来てくれる患者さんしか適しません。本症例の患者さんはその点でも可愛い女性で、適時診せてくれるから、切れ長整形を受けられるのです。

いや形態的にはお喜びです。であれば今回は特別に直ぐに治しておこうと申し出ました。さすがに抜糸したばかりですから、傷が安定するまで待ちます。でも1週間後には可能です。切らない眼瞼下垂手術NILT法と切れ長整形二回目を予定します。このままブログ提示を継続して戴けます。来週以降には更新でなく題名に追加して書き直します。お楽しみに!

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用は、切開法の眼瞼下垂手術は保険診療ですが、切れ長整形は15万円+消費税がかかります。