2017 . 4 . 6

知性的で素敵な患者さんは見ていて楽しい。4週間でさらに魅力的!

素敵な症例患者さんの中期的経過を載せます。皆さんも1ヶ月までの経過は見たいですよね。

今回もまず症例を説明します。患者さんは22歳、女性。先天的には狭い二重瞼。3年前他院で埋没法(画像にある様に狭く浅い)。ソフトC.L.を1年間装用した。埋没したら右の下垂が露見したとのこと。肩凝り、頭痛も生じてきて自ら眼瞼下垂症を疑われたそうです。LF14mmと正常範囲だが、MRDは2.5㎜と落ちている。後天性腱膜性眼瞼下垂症でしょう。眼裂横径25mm、内眼角間33m、角膜中心間57mm。蒙古襞の被さりは多くないが、拘縮は強い。前回は平行のラインにデザインされているが、埋没では緩んだし、目頭付近の引き込みが消えた。この蒙古襞ではそうなる。フェニレフリンテストではよく開くので、LT法で挙筋修復が適応する。埋没法ではこのラインは外れ易い。蒙古襞の拘縮が邪魔をしているため、ラインが浅くなる。野暮ったい印象にもなる。デザインは後段に説明します。

という訳で画像を並べます。上左から術前、術直後、術後1週間、術後2週間です。

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そして術後4週間での画像を露光を変えて2枚撮りました。表情も作っていただきました。

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客観的に見て、本症例の患者さんは黒目整形が似合う。可愛さアップだけでなくイメージを汲み取ってのデザインが効を奏しました。知性的でキリッとした雰囲気ができました。もう一度画像をご覧下さい。中期的な経過がお判りますね!標準的です。ただしシチュエーションで微妙に雰囲気が変わります。女性は七変化します。

術前は野暮ったい感じで皮膚が被っている眼瞼下垂状態で、蒙古襞が拘縮していますから吊り目でしかも子供っぽいです。開瞼時前頭筋が収縮する反射運動を伴う為に眉が挙がっているので、目元がぼやけた表情になります。

術直後は、さすがにキツい感じになります。第一に局所麻酔がミューラー筋と前頭筋にも浸潤して動きませんから、開瞼時に全く眉が挙がりませんからです。第二に、挙筋の挙上力は向上したのに前葉が腫れて瞼縁に被さるから睨んでいる様に見えます。第三にLT糸=挙筋腱膜縫縮糸が瞼板にかかっている点が見えますから、瞼縁がカクカクしています。此れ等の形態的機能的変化は皆起きます。でも術直後はこの程度です。48時間後がピークです。この数日はどう見てもやった感が見えます。

術後1週間では、腫脹が明確です。48時間のピークから引き始めて、まだ50%程度は残っています。どんな手術でも(埋没でも)侵襲を加えれば腫脹は起きます。量的には侵襲の程度に比例しますが、48時間後がピークなのは変わりません。ピークが軽ければ早く治るし、酷ければ日時を要します。本症例は若年者に対する切開術の標準です。抜糸をしますが、そもそも開瞼時には糸は見えませんし、閉瞼しても糸は透明なので近接でないと見えません。ただし創の赤い線は見えます。「術後1週間で抜糸したら、メイクしてカモフラージュ; camouflage(偽装、変装)して下さい。」と申し上げました。

術後2週間ではお願いした様に、メイクして撮影させてもらいました。とても綺麗です。この場合のメイクはcamouflage(変装)ですが、女性にとっては化粧は`装い`の一つとして欠かせません。服飾も同様です。比して手術による変身は形態的改善が永久的で、しかも機能的改善も図れるのが特徴です。先天的に異常な形態と機能を改良する事は、治せる障害を解消する為で差別解消にもなります。現に、本症例の患者さんは頭痛等の眼瞼下垂に付随する症状が解消しました。生体機能として健康面にも改善が見られました。

術後4週間の画像は、お忙しい中撮影させていただきました。メイクは軽微にしています。やはりまだ、腫脹が見えます。本当にすっきりするのには3ヶ月かかるものです。アイメイクの効果はあると再認識しました。腫れを隠して二重の幅を狭く魅せられるのです。代わりに笑顔を作って下さいました。優しくて可愛いですね!。それと、今回2枚の画像は撮影距離が違います。下に再掲します。左図の如く、標準レンズで近くから顔を撮ると、顔が大きく広がって見えます。右図の如く、焦点距離が倍のレンズで倍の距離から撮ると顔が中に寄って見えます。当然に視線も変わります。寄り目と遠目でも印象は違います。遠目の方が落ち着きが感じられ優しい表情に映ります。4週間ではノーメイクではまだ目頭部に創跡が見えますが、創跡が見えなくなるのは、これまでのブログを見てご理解していただいています。

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デザインを説明します。ラインは前回の`平行型`のラインで7mm弱とし、しわに沿わせながら眼球のカーブに合わせます。切除は最低限の2mmを目頭から目尻まで同幅で引きます。平行型のラインの延長線上に、蒙古襞に平行に襞の下の付け根から4㎜の縦辺を引き、60度のZ型を一辺4㎜で書きます。上下の切開線を目頭のZの上辺で蓋をする様に止めます。目尻より外のデザインはしわに沿ってTaperしていきます。下の画像がデザイン直後の開閉像です。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

このデザインは、このブログでこれまで載せて来た症例と基本的に同じで定番ですが、一目見て眼瞼下垂症であると診断出来る医師は多くありません。切開法は形成外科の研鑽を積んだ美容形成外科で受けましょう。蒙古襞は被さりと拘縮の二面性があり、本来一重瞼の人は蒙古襞の拘縮が強く二重ができないから拘縮を解除する必要があるので、私たちの行っているZ-形成法が適しているのです。

もう一度近接画像で経過を確認しましょう。

左から術後1週間の右左眼瞼、術後2週間の右左眼瞼、術後4週間での右左眼瞼です。

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画像の露光がバラバラで判り難いかも知れませんが、経過は判りますよね。開瞼の程度は撮る度に患者さんが調整しています。重瞼は綺麗に入っています。幅は開瞼に逆比例しますから、撮る度に変わります。メイクでも擬しています。どれもが美しいのですが、人それぞれの好みもあります。

美容外科治療は形態的改善を、形成外科治療は機能的改善を図る目的を持ちます。目がパッチリしていると心の美しさを感じさせます。美しさは、豊かさです。社会的な豊かさです。人生をプライドを持って豊かに過ごすことです。

もう一つ眼瞼下垂症に合併する付随症状の説明を致します。眼瞼下垂症とは、狭義には眼瞼挙筋の牽引力が弱いか瞼縁に伝わらない機能障害を言いますが、近年は瞼縁に皮膚が被さり窓が小さいのも広義の眼瞼下垂とされます。基準は第一眼位(顔位を正立しての正面視)での目の窓の縦幅で角膜中心から3㎜以上が正常です。眼瞼が挙がらないと視界が得られないので無理に力を入れようとします。するとミューラー筋が伸展されます。ミューラー筋はセンサーで伸ばされると、信号を脳へ発します。その信号は覚醒時の`交感神経反応を亢進`させます。すると脳は開かせようとする信号を返します。ところが、眼瞼下垂症患者では開かないので、代償的に前頭筋に信号が流れて眉を挙げて目を開こうとします。

第一に覚醒して開瞼をしている間に前頭筋が収縮しつづけるので、筋が疲労します。筋緊張性頭痛を生じます。前頭筋は後頭筋まで繫がっていますから後頭部の神経が圧迫されて肩こりを生じます。場合によっては常時Chin up をしますから、むち打ち症の様な頚部痛を来します。脊柱筋も緊張すると腰痛も生じます。

第二に交感神経過剰状態は自律神経失調(副交感神経とのバランス不全)症状を呈します。交感神経は戦闘姿勢をもたらしますから、交感神経が緊張し続けると消化不良となり食欲低下します。不眠も起こし得ます。酷いと鬱状態になります。

此れ等の合併症状は眼瞼下垂症手術でスキッと改善する症例も多くあります。本症例でも改善が顕著でした。

さらに蒙古襞の拘縮を伴う場合、開瞼機能を阻害する一因になり、また眼瞼下垂が機能的に改善しても形態的に不自然になります。開瞼の良好な個体は、蒙古襞が拘縮し被さっている事がないからです。いずれにしても身体機能の改善は形態的にも良好となります。

私はいつも唱えています。良好な機能は自然な(二重瞼が自然です。)形態に宿り、美しい形態は適切な機能を呈します。

とにかく更なる経過を診ていきたい症例です。