2018 . 4 . 12

口周りとは口唇と外鼻。口唇短縮術後3か月の経過を診ますと、傷痕が・・!

昨年来素敵な女性が殺到しました。美くしい女性が最終兵器としての口周りの治療を希望されます。この部位の治療が評判だからです。美容医療の対象は美人です。人は外面的にはそれぞれでも、内面的な美人が外面をより向上することで好結果をもたらすのです。内面美人とは、美しさに誇りを持って、より向上したい心です。

今回は術後3か月出来院されました。どんでん返しが起きましたので、前半は読み飛ばして術後3か月だけをご覧いただいてもいいでしょう。

ですが口周りの手術は計測から入り、比率を見ながら診察する必要があります。まずは症例を見ながら説明します。症例は37歳、女性。細面(ほそおもて)の患者さん。顔面輪郭は卵型で理想的ですが、上中下の比率は上顔面(生え際~眉の下)70㎜:中顔面(眉下~鼻下)60㎜:下顔面(鼻下~頤尖)65㎜です。中下のバランスが不満。中1/3が短いのは鼻尖が上方にあるためで、下1/3が長いのは上口唇(白唇部)が長いためです。

診察すると、鼻唇角が(側面で鼻柱と口唇の角度)110度を超え、つまり鼻尖が上方に向いている。鼻尖が上方で、しかも定規を当てると、鼻陵の延長線よりも低い。鼻柱基部〜Cupid‘s bowは20㎜です。前鼻棘が前方にあるために外反が無い。いわゆる鼻の下が長くて、ノペっとしている白唇部です。まず鼻尖の手術から行ないました。下顔面が長いのに対しては、上口唇(白唇)短縮と口角挙上術の併施が求められます。二段階でに取り組む事を、患者さんは既に理解していました。本症例では今回鼻の手術を優先しました。鼻の手術後3か月を経ました。

口周りの計測値をもう一度書きます。白唇部(鼻柱基部〜弓の中点)=20㎜。顔面縦比は上顔面70m:中顔面60㎜:下顔面65㎜と下が長く、その内訳は上口唇(白+赤)28㎜:下口唇(赤+頤尖)38㎜であり、黄金分割比の5:8を理想として、上を23.75㎜、つまり28㎜を5㎜短縮すると上下のバランスが合います。顔面部品比は内眼角間33㎜:鼻翼幅33〜35㎜?:口唇幅42㎜と口唇が小さい。黄金分割比の8:5を理想として口唇幅は52㎜あっても良いが顔の幅が小さいので不要と考え、口角は45度方向に挙上して口唇幅を求めた。白唇部短縮術は両鼻翼間だけを引き上げますから、口角が相対的に下がります。従って口角挙上術を併施します。

術前の画像を説明します。口唇の傾斜は内反し赤唇の裏返りも無く寂しい。人中と弓は明瞭です。赤唇縁の土手も少ない。デザインは術前の評価に従って、個体差を考慮して行ないます。白唇部は両鼻翼間を5㎜切除。外反を求めて皮下脂肪層は半層残します。人中と弓を強調する必要は無い。口角は45度方向に5㎜引き上げる。(三角形の長辺) 鼻翼は糸を抜くなら入れ替える事を示唆しました。

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上に術前、デザイン、術直後の正面像。

術直後の画像を説明します。創は目立ちますが、形態は良く判りますよね。全く雰囲気が変わります。もちろん腫脹が強い手術ですから、白唇部が突になり、外反が得られていないじゃあ無い?、っていう感じです。 毎回書いて来ましたが、必ず落ち着きます。ただし内出血すると消失するまで2週間かかります。私はこの数年口唇短縮術を数多く施行してきましたから、自信を持って経過を説明出来ます。

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上は術後1週間と2週間と術後1か月の正面像。

続いて術後1週間の画像を説明します。抜糸した直後で引っ掻いた跡が有ります。血が滲んでいてご免なさい!。ところで御注目!、白唇の傾斜(外反度)が意図した通りに、見事に改善しています。術前の斜位像では内反して見られます。側面像では直線的に見られます。術直後の画像では腫脹が強くてぼてっと内反しています。ところが術後の斜位像と側面像を見ると、僅かに外反が得られています。想い通りに出来ました。見事な顔貌です。赤唇縁の露出も意図した通りに得られてセクシーです。

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上八葉は術前、術直後、術後1週間後、術後2週間の左斜位像と右側面像。

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今回術後1か月では、余りに素敵なので両方向の側面像と斜位像の四葉を並べます。口元が美しい!。表情も優しい!、部分の提示なのが残念です。自覚的には大笑いすると、頤が下がり下顎が下がり、口角を介して上白唇部も引き下ろされて鼻下の傷跡が引き伸されて、鈍痛を感じるそうです。口角は歯磨き時にピリッとすることもあるそうですが、慣れたので気を付ければ痛くなく歯磨きを出来る様になったそうです。鼻の位置は元に復して来ています。このような客観的見地からの所見を述べてくれる親切な患者さんです。精神的に安定していて、当方とのコミュニケーションも深いです。本当にいい患者さんです。

術後1か月で、運動はかなり回復して、力を入れれば閉口し、力を入れていないつもりでもトーヌスが戻り、正面からは隙間は見られません。ただし赤唇の露出が増えて、粘膜が数㎜ドライサイドに出てきますから、ウェットリップが乾いた感じは自覚出来るそうです。冬場の乾燥する時期にはリップクリームか口紅が欠かせない事と思います。むしろリップメイクでカムフラージュして欲しいところです。

術後1か月で既に出来上がりに近づきました。術後3か月では傷跡はさらに目立たなくなり、メイクで隠さなくても良くなるでしょう。また運動機能は正常化しますが、まだ若干運動痛はあります。ということは無理しない方がいいということです。術後は痛いことはしない方が傷跡にもいいのです。次回は何も無かったかの様に来院されるでしょう。そして完成を診ましょう。と思っていたのに、傷痕が若干拡がりました。術後3か月の画像を見ましょう。

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今回は正面画像と拡大像を載せます。

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両側側面と斜位は形態的に美しいのですが、もう一度拡大像を診ると、白唇部(鼻の下)の傷跡に幅が出ています。

DSC01436本症例の患者さんは外面的に綺麗で、美しい内面性を醸し出しています。だから、傷痕を気にしていないし、少なくともメイクしていれば隠せるそうです。逆に「私の生体の能力が駄目な為に、画が良くなくてご免なさい!。」と謝られて私は恐縮しました。私はつい、目がうるうるしてしまいました。

で~も~!、私は申し訳ない気持ちと共に、敗北感に打ちひしがれました。さらに「何故だろう?!。」と一晩中思案しました。口周りの手術の中でも、白唇部短縮術は定番です。年間で約100例、この3年間で300例は施行してきました。その中で、傷痕が拡がったのは3例でしょう。2例は5mm以上の切除の結果です。ですからこの1年程はmm以上切除しない様に奨めています。さらに言えばそれなら後戻りは生じません。本症例は5mm以下の切除幅ですが、創跡が徐々に拡がって幅1.5mになりました。その上に軽く肥厚性瘢痕(ケロイドもどき)になりました。後戻り量は計っていませんが、1.5㎜分は戻っているのでしょう。

一般人にケロイドというと、やけど(熱傷:これも一般人に認知されていませんが、火傷は読んで字の如く火に因るやけどをいいます。他の熱に依るやけどを総称して熱傷と書きやけどと読みます。)の跡の白くツルツルして突っ張った面をイメージするでしょう。戦後原爆症の跡を駐留軍が診療してケロイドと診断したのを記憶に留めて来たからでしょう。ケロイドとは、創跡のコラーゲンが自律的に長い期間増殖してしまい、収縮して拘縮し、硬結も呈する状態です。肥厚性瘢痕は外傷(手術も含めて)後にケロイド様になることですが、原因時から1〜10年で軽快します。面は残るのですが、肥厚や拘縮は消失します。また軽快期間をを短縮するにはいくつかの治療縫があります。皆さんも覚えて置きましょう。

本症例の肥厚性瘢痕は、創跡が広がった為です。私としては拡がったのが辛い!。真皮縫合を密にすれば拡がらないと毎日強弁してきた手前、嘘付きと言われそうで残念。政治家と一緒の人種になったみたいでやりきれない!。ビジネスライクな医師の様です。そんな医師達の仲間入りしたみたいで悲しいです。

でも今この時目の前に居る患者さんの為にも、今後頑張って本症例の患者さんを治していきます。その経過も提示して皆さんに認めていただきたく思っております。