2018 . 4 . 6

眉下切開と黒目整形非切開法の組み合わせは、意外とダウンタイムがあります。アートメイクで傷は隠せます。

本来私は、アートメイクを美容的に容認できるものだと考えていませんでした。だって変えられないし、そもそもブローのメイクをサボって楽している訳じゃん?。それに綺麗じゃないのや、デザインが恰好よくないのや、太くてゲジゲジになっているのをよく見かけます。まあその点について当院の施行者は改善されてきました。でも少なくとも、私は手を出しません。

でも実は、眉下切開術のためにはこんなに有用性が高いのです。術直後から傷が目立たない。それにデザインが恰好よいなら、すぐ下を切除縫合すればいいので眉下切開術のデザインがしやすい。逆にアートメイクが太すぎるなら眉下切開術のデザインで切り取る場合もあります。

眉下切開術にアートメイクの併施は有用ですが、同時に眼瞼の手術を施行すると、眉下から降りてきた腫脹が眼瞼に波及して、埋没糸の点だけが相対的に喰い込んで、術直後には異様な形態になります。腫脹が取れるまでは目立ちます。でも埋没法の重瞼術も必要でした。その意味でいい例です。経過を追っていきたいので、当日と翌日の画像から提示していきます。

症例は、52歳、女性。1月に眉毛に何回目かのアートメイクを追加しました。その際に上眼瞼皮膚の伸展余剰について眉下切開を示唆しました。その上筋性眼瞼下垂の疑いも感じて自ら信大系のI形成外科を受診し手術予定も立てましたが、なんか美容的形態の説明に不安を感じてラインも変えたくないし見合わせた。 LF14㎜と正常だが、前医で検査して瞼に錘を着けると開きにくかった。軽度の後天性で先天性では無い。もちろんそれなら、NILT2=切らない眼瞼下垂手術=黒目整形非切開法で可能。皮膚は眉を挙げる6mm切除が望ましい。眼瞼では切らないで可能で、切除は眉下でなら経過が早いと考えて、NILT法と眉下切開の併用が選択されました。

今回は術前から、術直後、手術翌日の画像を二葉ずつ。

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術後治療としての冷却と挙上が効を奏したため、翌日も腫脹が悪化していませんでした。IMG_1447IMG_1446

近接画像を比較します。

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術直後に軟膏を塗布しましたから光って巧くピントが合いませんでした。

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さあて、手術は巧くいきましたが、カクカクとした重瞼線はなんでしょう!。そうなんです。眉下切開と切らない眼瞼下垂手術は意外とすごい経過を呈します。でも本症例の患者さんには必要かつ有用な手術法です。腫脹がこのように表出します。

眉下切開は腫脹が軽いのですが無い訳ではありません。眉の辺りが腫れても目立たないだけです。それにアートメイクを併用すれば創が当初から目立たないのとはいっても、当日は血が滲んでいます。翌日には血こそ付着していませんが、縫合糸の凹凸は見えなくはありません。腫脹は眼瞼にも波及しますし、切らない眼瞼下垂手術は埋没法の一種ですから糸の掛かった2点ずつは引き込まれて凹み、周囲は腫脹していますから、カクカクになります。

つまりそれぞれの単独の手術の際と、併施手術では経過が段違いなのです。ただし多分ぞれぞれの程度は軽いので、術後早期に解消して来るでしょう。とか言って、術後1週間の抜糸の日が参りました。

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本症例の患者さんは明るく楽しい方です。これまでにも様々な診療を受けてきただけでなく、今後の治療にも積極的です。さらにブログ提示にも協力的ですが、ご覧の様に画像がイマイチです。手術日直前にはレーザートーニングをした跡が写っています。翌日はメイクで隠してくださいました。術後1週間にはレーザー後のかさぶたが取れて顔面はきれいになりました。ところが、右眼球の結膜下充血を生じてしましました。あわてて眼瞼結膜を確認しましたが糸の露出が原因ではありません。花粉症で掻いた様です。ホットしました。患者さんに「これじゃあ使えないですよね。ごめんなさい!。」と謝られて逆に私が恐縮する次第です。いい人です。

でも形態は整ってきました。眼瞼の腫脹が引き始めて、重瞼線のカクカク感は解消中です。眉下は抜糸しましたが、アートメイクを予めしたので、手術直後から既に傷跡は見えなかったとお悦びです。これまで眉下切開手術の直後にアートメイクをして来ましたが、かさぶたが黒くついて目立ちました。アートメイクは手術の1週間以上前にした方がより目立たないと認識を改めました。但し代わりにレーザーのかさぶたがありました。まあいいっか!

本症例はこれからも画像提示が楽しみです。なかなかよく出来ています。キャラクターがいい人なので若々しく生きています。いや若々しくして来ています。今回の手術の組み合わせ(アートメイクも含む)はダウンタイムが少なく、効果が高い手術です。今後の経過画像をお楽しみに!