2018 . 4 . 18

E-ラインがマイナス3mmの品のある人には、さらに白唇短縮術と口角挙上術でお淑やかに!

いくつかのサイトで、私の行なう口周りの手術の話題が載っています。

○創跡が綺麗で目立たない。○形態の設定が適切。○手術前の評価が念入り。○美容学に基づいた顔面バランスの評価に依る手術法(デザイン)の選択が丁寧に為される。等々の好評を頂いている様です。私が真面目に【診療】しているからでしょう。主にブログに載っている画像と説明の内容が評価されています。

×数症例に於いては創跡が見えるのですが、許容されています。年間約100例のうちの一例以下で、それぞれに原因も考察されているから、読んでいる患者さんは理解します。それに正直に、改竄無く提示しているので信用が得られているのでしょう。必ず術前から載せて、すごい画像の術直後から術後3ヶ月の完成まで経過を追っていますから、いいとこ取りでないし経過が解るから、患者さんの計画を立てるのにも有用だと評判です。もちろん私の説明時にも応用します。

実は最近特殊な症例が増えてきました。骨切り術後の口周りの変化を治したい症例です。口周りは骨格性のバリエーションが広く、形態は骨と軟部組織のバランスから成り立っています。側面から見た鼻、唇、頤の位置関係はエステティックライン,(A)Esthetic line:略してイーライン,E-lineと称され、一直線上が理想とされます。少なくとも口が出ていない方が美しいのは間違いないでしょう。何回も書いて来ましたが、人間だけが口で食事を啄まないので、口が出ていないのが人間らしいのです。

そこで予め、骨切り術でE-ラインを作り上げてから、口周りの形態を更に修正する事を計画する人が居ます。良く解っている人です。そうです。両顎の歯槽部を後退させると口唇、特に上白唇部の傾斜が変わります。前に尖っていた口唇が下向きになり、長さは変わらないのに前方から見える長さが増えます。サイト上でもそうですし、最近では予想を立てて順次手術することが常識的になりつつあります。予め口周りの手術を予定しておく様に奨める骨切りを得意とする形成外科医も現れました。さすがに医師を紹介しては居ない様ですが、私は美容形成外科医30年で長い間に有名な(上手でまとも)な医師には顔が利くので、患者さんが私がどうかを訊いたら骨切り医も奨める様です。予め段取りを決めて来る患者さんもいらっしゃいます。

なーんかなあ〜!。一瞬ぐれてみました。私は骨切りが得意な美容形成外科医の下請けかよお〜!いや!気を取り直して、「彼等が口周りの切開手術をしないなら、私に任せて下さい。」と心の中で呟きます。確かに両方の手術を請け負っていたら時間が足りないし、得意な好きな手術ばっかりしていた方が、その手術の精度というか、質が毎回向上するのです。これまでブログにも書いて来ました。手術を重ねる度に進化しています。

そのような訳で最近の数例は骨切り術後の症例が続いています。本症例は典型的です。よーく知っている仲良しの形成外科医が一時的術者で骨切りの出来が素晴らしい。二次的に私が口周りの手術、いつもの白唇短縮術+口角挙上術をすることが出来て光栄です。得られる結果が良好であろうことも予想されます。何しろその道の第一人者二人のコラボレーションですから。アッ間違いました。素材=患者さんの外面と内面が美しく、調和が取れているからです。品がある人だからです。

症例は30歳、女性。白唇長:鼻柱基部〜弓の底=19mm。昨年12月に他院(日本一骨切りが上手い美容形成外科医の一人)で歯槽分節骨切りでセットバック:上顎後退5mm歯牙を2mm削り、同時に下顎を歯槽分節骨切りで咬合を合わせた。E-ラインがマイナス3mmになり、美しい口元だが、白唇部の傾斜が無くなって長く見え、余った感と長くなった感字。客観的にも長い。当然の如く短縮の適応である。本症例の患者さんは調べていたし、理解していた。

顔面の縦バランスは上顔面(生え際〜眉下)65㎜:中顔面(眉下〜鼻下)60㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)68㎜で下顔面が長い。下顔面の配分は上口唇(白唇+赤唇)25㎜:下口唇(赤唇+頤)48㎜で5:8が理想なら両方が長い。頤は綺麗なカーブで、下顎縁もカーブも綺麗なので、下顎を触る必要は無い。やはり上口唇を短縮して下顔面を短縮するべき適応である。なお画像でご覧の様に人中は溝がありCupidの弓は明瞭。検討の結果。5mm口輪筋上までで口輪筋を折り畳んで外反を得る。人中や弓は作成しない。

顔面の横バランスは内眼角間35㎜:鼻翼幅34㎜:口唇幅44㎜で黄金分割比の5:8が理想なら3mm横に拡大したいから口角挙上は45度5mmが適応と考えられた。

下に正面像の術前、デザイン画、術直後を並べます。

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骨切り術後で締まりのある口元ですが、長くなった白唇が間延び感を見せていました。デザインは上記の通りです。術直後はいつもの様に局所麻酔の分量と腫脹で膨隆していますが、短くなったので、すっきり感が美しい。

下に二列、術前と術直後の両側面と両斜位の四方向。

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E-ラインがマイナスだと強い印象を呈します。外人の顎です。上白唇部の傾斜(C-カール)が無く平坦です。外人顎なのに赤唇が薄く、アンバランスです。

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術直後はいつも、鼻が引っ張られています。白唇部は腫脹で内反しています。口は力を入れないと閉じません。どの点も治るのはお互いに知っているから心配ありません。

因みに、骨切り術の跡は、白唇部短縮術にも口角挙上術にも影響を与えていませんでした。もちろん予め口腔内の傷跡は確認しました。口唇の前方からの手術は口輪筋までですから、口腔内には達しません。本症例では人中や弓は作りませんでしたが、人中は短くなるので溝から窩になりはっきりします。術直後は腫脹で引っ張られて弓が急峻になりますが、挙げてある部位に影響が強いからで数週間で適切な形になります。赤唇も適度に露出しました。

口周りの手術は術直後の腫脹が強いのですが、軽快するスピードも早いのです。血行の良好な部位の性質です。形態は腫脹に依存しますから、術直後は評価が難しいのですが、私はこの数年間100例近くの症例を経験していますから、術後経過を理解しています。どのようなデザインで手術すれば、どのような完成時の結果になるのか予想できます。本症例も見事な結果が頭に描かれています。次回術後1週間では、更に美しさをアップしていることでしょう!。お楽しみに!