2018 . 8 . 16

季節柄眼瞼下垂手術切開法が殺到しています。そして目頭の蒙古襞の被さりと拘縮の解除も必要。

季節柄というか、夏休み期間はダウンタイムを過ごせるので、病悩期間の長い手術を受ける患者さんが多くなるのです。切開法の眼瞼形成術は代表的です。腫れたり内出血したりで対面する仕事は難しいので、夏休み期間が最適なのです。日常生活はサングラスでカムフラージュすれば可能なのです。最近は季節柄だけでなく、特に今年は温暖化で日差しも強く、サングラスして歩き回っている人を目にします。その様な訳で眼瞼形成術が続きました。本症例はいつもの手術が適応です。

症例は24歳男性。先天性一重瞼で皮膚が下垂している。LF,Levator function 挙筋筋力(活動距離):11mmで先天性の筋性下垂に後天性腱膜性眼瞼下垂も伴う。眼裂横径25mm:内眼角間36mm:角膜中心間64mmなので縦横比からして筋性眼瞼下垂の程度は軽い。遺伝子的に先天性一重瞼なので、もちろん蒙古襞の拘縮は強い。フェニレフリンテストで開瞼は得られる。

したがっていつもの手術を適応しました。末広のラインで切除3mm。挙筋強化はLT法で可能。目頭は定式の一辺4mmのZ-形成術が適切です。

画像を見ましょう。下に術前二葉。前頭筋が収縮して眉が挙がっています。

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デザインは開閉二葉。切除幅に繋げてZ−形成術をデザインすれば綺麗に平行型になります。

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術直後も二葉。クッキリパッチリにできました。

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近接像を上段に左眼瞼の術前と術直後。下段に右眼瞼。

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今回は術前術直後の比較だけです。しかも術直後はまだ痛くてちゃんと開いてくれません。先ず1週間の経過を見て行きましょう。次週をお楽しみに!

今回は手術前と手術直後の画像提示だけとします。

下に術後1週間で抜糸の直後の画像です。

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まだ腫脹(腫れ)が40%程度残り、目頭の創も抜糸した際に傷めるので逆Zの赤い線が見えます。もちろん目立たなくなります。形態は経過中です。機能的には開瞼良好で、不随意に前頭筋を収縮して眉を挙げないでいられる様になりました。この点は社会的機能に大きく影響します。要するに表情が自然になるからです。

術後1か月となりました。下に画像を!

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ほぼ完成です!。目頭の創跡は若干赤いのですが、もう目立ちません。Z−形成法の標準です。目頭の形としては、蒙古襞が適度に残ったデザインです。一重瞼の平均的な蒙古襞の被さりと拘縮であり、数字的にも二重瞼に比べて3㎜離れていた内眼角間が二重瞼の平均的な目頭になりました。

日本人(アジア人)に特徴的な変異である蒙古襞は、北東アジアで約2万年前に発生した遺伝子異常です。日本列島には約3万年前から現生人類(ホモサピエンス)が住んでいて、元々人類は二重瞼で蒙古襞を持っていませんでした。2万年前から北東アジア系が中国、韓国を経て日本列島に進出しましたが、彼等は稲作法(食住環境の向上)と中華の進んだ文明を注入して下さったのは有り難いのですが、蒙古襞と一重瞼の遺伝子も持参されたのです。その後所謂縄文人系と弥生人系の混血が進み、現在日本人では二重瞼と一重瞼の発現が概ね50:50であると科学的に証明されています。蒙古襞もその程度に平均差があるのです。本研究結果は、来年の日本美容外科学会で発表する予定です。美容外科も自然科学や数学や医学に基づいて施行される様になることを祈って止みません。

これまで何度も記載しましたが、一重瞼を二重瞼に改善して開瞼を強化し、社会生活と知的能力を向上する際には、一重瞼の平均的蒙古襞を二重瞼の平均的蒙古襞に変更した方が自然な形態になります。ただし、蒙古襞の数字的改善と拘縮の解除を同時に得られる手術法はZ−形成法以外にはありません。上にも記しましたが、これは科学的に自明です。過去数十年来施行されて来た目頭の蒙古襞切除法は非アジア人の眼瞼を作る為に開発された手術法で、日本人(アジア人)には似合わない不自然な顔付きになります。

申し訳ありませんが、私の父は外人顔作りを売り物にしていました。もちろん切除法の大家でした。私は幼少時から見ていて「これは変だな、不自然とはこの事だ!」といつも感嘆していました。かといって15年前にZ−形成法に出会うまでは切除法も施行したことがあります。今では反省しています。アジア人に対しては、Z−形成法による目頭形成術だけが適応になると、美容外科学的には証明されています。これも来年の学会で発表する予定です。

しつこい様ですが、チェーン店系の非形成外科医の美容整形屋はビジネスで美容外科を取り扱っています。少なくとも、C.M.を多発しているクリニックはビジネスに邁進するしかありません。残念ながら彼等は研究し勉強する時間が持てませんから、Z−形成法を出来ませんし、正しい美容医療を行なえる筈がありません。

今回の症例を始めとして、一重瞼を二重瞼に改良する事で皮膚性眼瞼下垂症を改善する際に蒙古襞の拘縮解除を併施するべきです。これらは眼瞼下垂の原因として半々を占めます。結果としてこの手術を受けた症例は自然な形態と機能を得られています。これまでの症例も、本症例も結果が担保となっています。皆さんもご覧になってそう思われるでしょう。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。