2018 . 11 . 15

このところよくある3点セット:人中部白唇短縮術+口角挙上術+鼻翼縮小術皮弁法は戻らない。

このところ3点セットをブログ提示する機会が4例続きました。流行っている訳ではありません。ブログでの啓蒙活動が効を奏しているのでしょう。ただしいまだに上口唇短縮術を人中短縮術と称する患者さんがほとんどです。人中だけ短縮するなんてありえません。それに人中という意味を知らない患者さんが多く、私が「手術で人中を強調しましょうか?。」と言っても、人中とは何かさえ知らない患者さんがほとんどです。もちろん私のブログを読み込んでいる人は、その意味を理解して来院されます。

患者さんがそうなら、医療者側にも多く居ます。特に美容外科の世界では目に付きます。一般的にほとんどの美容外科医は、患者さんを細かく診察しないで、皆に同じ様な診療をしようとします。治療行為により料金が発生しますから、診察には時間単価を取らないので細かく診療しないのです。医療に於いては本来診察して治療を選ぶのが道筋です。

医学生時代に口頭のテストで問われました。「診察は何の為にするのか?。1、診察代を得るため。2、診察技術を疲労するため。3、治療法を選択するため。」どれかと問われて3番と答えた人は少なかったそうです。医学生なら仕様がないのですが、医師になっても、特に外科系では同様の姿勢の者が多い様です。さらに美容外科医の中でも非形成外科系は保険診療の経験が少ないのでこの傾向が強いようです。医療の勉強をしないでも、医師なら医療行為もどきが認可されます。要するにチェーン店はビジネスですから、金儲け主義なんでしょう。

また苦言から始まってしまいました。つまり、3点セットは適応を限られますが、適応症例にはむしろ同時施行が高い効果をもたらします。経験から得られた新知見です。実は、白唇部短縮術を施行して口元のモッコリ感を解消した症例が、二次的に鼻翼縮小術を施行した結果白唇が前に膨らんでしまうことがありました。だから両方の効果を求めるなら同時にして、しかも鼻孔底は切除しないで皮弁法で寄せて、白唇部は縦に短縮する。その際に鼻孔底の直ぐ下方つまりいつも大事にするNostril sill,土手状の高まりを、鼻翼を寄せる分横に切除して、白唇部を縫合する際にずらして縫う事で、白唇の膨らみを防ぐ方法です。実際にそうなっているのは画像で判るでしょう。

症例は30歳、女性。これまでに、いくつかの治療をしてきて最近になって口周りを治したくなった。先月私に罹る。口使う(喋る)仕事。人中部白唇長19mm。上顔面85mm:中顔面55mm:下顔面65mmで下が長い。下顔面のうち上口唇26mm:下口唇~顎先39mmで黄金分割比の5:8に合わせると上が長い。白唇5mm切除、外反の適応。人中と弓は明瞭ではある。内眼角間35mm:鼻翼幅38mm:口唇幅46で口角は45度5mm。もう一度診察。人中と弓は明瞭だがもっと強調したい。鼻翼幅は38mmなので同時に縮小したい。内側皮弁法2.5mmずつで33mmを目標とした。

フルモニターを希望。満を辞して、1か月休みを取って手術に到った。手術当日術直前の診察でやはりもっと口唇の形をはっきりさせたい希望を汲んで、人中部と弓を1.5mmずつ寄せることになった。

画像は各方向別に術前と術直後比較します。

IMG_2186IMG_2198IMG_2224

正面像は術前とデザインと術直後。前段に書いた様に白唇は膨隆しない筈なんですが、三つの手術を組み合わせると腫脹が3倍になり、手術直後はいつもより膨隆しています。日にちに期待!

IMG_2191IMG_2195IMG_2197IMG_2224

近接画像を4葉。術前、デザイン、次はデザイン後にルーラーを当てています。鼻翼の最大幅は38mmです。下右側は術直後です。ルーラーを当てようと思っていて忘れました。

IMG_2187IMG_2190IMG_2225IMG_2228左側面を右斜位の術前、術直後。

IMG_2194IMG_2229

術直後の下方からの画像は赤唇が腫れて、よく見えません。ちらっと見える鼻翼の付け根は縮まっています。

今回は術前と手術直後だけです。腫脹が強く形態さえもはっきり判りません。でもサイズはちゃんと小さくなっています。次回術後1週間の画像が楽しみです。

術後1週間で抜糸しました。画像を並べます。

IMG_2466IMG_2471

正面像でも近接像でも腫脹が軽快してきて、形態の改善が見えてきました。創は抜糸時にひっかけてしまい、縫合線の周囲まで赤くなります。数日で引きます。鼻翼は内側を寄せてその時点で34mmにしましたが、白唇短縮術の鼻翼の付け根部を縫合する際に引っ張られて鼻翼の外壁がサイドに引かれてしまい、最大幅は拡がります。38mmでした。しかもだから鼻翼の厚みが出ました。これまでの症例で白唇短縮術の経過を見ると皆そうなります。そして、拡がった鼻翼は数週間で戻ります。つまり本症例でも戻り、鼻翼の最大幅は寄せた時点のサイズ34mmに戻るでしょう。

IMG_2472IMG_2470IMG_2467

下方からの画像では赤唇の腫脹が著名に軽快し、鼻が見えます。やはり鼻翼の内側は縮まっていても外側は引っ張られています。つまり厚みも増えています。まだまだ掛かりそうです。

という訳で術後1か月までの経過が楽しみです。下に術後1か月。

IMG_3100IMG_3105

白唇部の傷跡はまだ赤い線ですし、鼻翼縮小の為の鼻孔内への縦の創跡も赤い線があります。でも幅はありません。口角の傷跡はもう目立たないのですが、いつかは消えます。術後1か月経たので今後肥厚性瘢痕になる事も無さそうです。

IMG_3104IMG_3101IMG_3106

鼻翼の幅は35㎜に保たれているし、むしろ前回より縮まりました。鼻翼も腫れて、厚みがあり、その為に外側が膨らんでいたからでした。結果が見えて来ました。

IMG_4506IMG_4511IMG_4510IMG_4507IMG_4512

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。鼻翼縮小術内側皮弁法は28万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。