2019 . 3 . 15

鼻尖と鼻翼の手術はセット。鼻陵が不要の症例もあります。

外鼻の手術は、種々あります。ところが顔の形態は個体差が大きいのです。鼻は特に足りないところと足りているところのバランスを取りたいのに一部の足りないところだけ欲しがって、例えば鼻陵(鼻スジ)は通っているのに鼻尖(鼻の頭)が下がってしまい鷲鼻(Drooping nose)になったり逆に鼻尖だけ高いアップノーズを越えたファニーノーズになってしまった症例をまま見かけます。

最近はヒアルロン酸等での治療が主体になっています。ところヒアルロン酸での治療中にも、患者さんが費用をケチったり、変化を少なくしたがって却って不自然な外鼻になってしまう事があります。これは患者さんの側が造る問題でもありますが、経験の足りないチェーン店系の若造の美容整形医師は美容学を学んでいないからでもあり、患者さんの言いなりになって不自然な形態を作り上げる輩が多いのです。

ましてや、手術時には術前の形態はまさに千差万別ですから、どこをどの程度治せば良いかよく検討しないと、自然な綺麗な形態になりません。日本人を始めとしてアジア人は、平均的に白人に比べて外鼻が低いので、足す方がメインですが、最近は身長が伸びたのと同じ原因で鼻骨部だけは高くなった人が増えました。結果的に鼻尖だけが低く大きい人は増えています。鼻翼が対して大きいのも変わっていません。

本症例は鼻骨部は低くなく、対して鼻尖が大きく鼻陵の延長線上に無く、鼻尖の位置が上にあるDrooping noseで short noseなので、鼻尖を高く下にしたい症例です。患者さんも理解していました。鼻尖増高術は耳介軟骨移植が適応です。鼻翼は顔面幅との比率も考慮しますから、あくまでも鼻尖とのバランスです。鼻尖だけ小さくすると鼻翼がおっぴろがって見えるからです。

症例は25歳女性。口周りの診察時に鼻の手術の既往:一昨年韓国でクローズ法。追加手術予定だった。E-ラインが+3mmで軟骨移植追加を予定していた。鼻根部はくぼんでいないが幅があり平板に見えるが、目頭も治せば鼻骨骨切りは不要と考えた。鼻翼は口周りの際に内側切除法を併施した。経過中35mm→36mm→34mmと変遷した。

本年に入って再診。鼻翼幅は35mmに後戻りを生じた。今回は皮弁法で後戻りが無い様に予定した。鼻尖は耳甲介軟骨移植を2枚重ねして2㎜高くする。同時に目頭切開Z-形成法を予定した。

画像を見ましょう。

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術前正面像での鼻尖は大きい。術直後にテープを貼りましたが鼻尖が小さくなっていて鼻翼との比率も2対1の適切比です。

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下方から見ると鼻尖の形が小さくなったのがよく判ります。決してテープで押さえつけているからではありません。

IMG_0105IMG_0133斜位像の術前と術直後。 IMG_0108IMG_0136側面像の術前と術直後。

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手術中の縫合直後のテープを貼る前の画像です。腫れていて何だか解かりません。

第一の目的は鼻稜の延長線上まで鼻尖を挙げる事です。よく出来ました!。ただし鼻尖の上下位置は腫脹で持ち上げられています。移植軟骨は一枚1mmです。鼻尖の位置は1.5mm程度下げましたが術直後は上にあります。

術後1週間で抜糸しました。

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今回術後1週間までの画像を載せましたが、側面像と斜位像を忘れました。鼻は3次元的形態が重要です。次回ちゃんと撮って載せます。

下に術後1か月。各方向を術前と比較します。

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正面像では鼻尖の大きさが微妙に小さくなっていますが3次元的構造的変化は見えません。近接像では鼻尖が鼻翼の半分に出来ました。

 

IMG_0105IMG_0167斜位像では鼻尖の位置が下ガッたのが判ります。しかもシャープで鼻スジの延長線上にあります。

IMG_0108IMG_0164側面像では鼻尖の位置がかなり下がったのが明白です。ここが狙いです。軟骨移植でここまで出来ます。

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下方からの画像では鼻翼のサイズが判ります。画像上は縮尺が合っていないので比較は難しいのですが、よく見ると目頭間との比較では小さくなっています。私が測った際には3㎜縮まっていました。鼻翼縮小術の後戻りは止まりました。症例に依りますがデザイン上の予定数より小さくなった人も居ます。それは鼻孔の形に反映しています。また鼻尖の形が術前より尖ったのも判ります。

術後1か月での画像比較を載せました。今後また経過を追っていきます。お楽しみに!

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。」

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。