2020 . 2 . 19

何度も重瞼術したけれど上手くいかない症例はプレッシャー架かるけれど見事に挙げよう。最後にしたいからね!=何がプレッシャーかって、面白いこと書く様に念を押されたしたし・・。

本症例はプレッシャーが掛かります。題に書いた様に何度もうまくいかなかったとの申告で、私に辿り着いて、なんとか出来るでしょうと頼って来た(迫ってきた)からです。眼瞼形成術は私の十八番です。父が開業していた銀座美容整形時代に見学して45年以上の経験。私は医師になって北里大学形成外科に入局したのも眼瞼形成術を極めたいからです。現在までの手術症例経験のうち約30%は眼瞼形成術です。中でも切開法と眼瞼下垂手術は形成外科医だからこその経験値です。そんじょそこらのチェーン店の若造には出来ません。さらに目頭切開術は父の独壇場でしたが、私も今や目頭Z−形成術を駆使して、自然でよく開く眼瞼を作り出しています。

そんな私を探し出してすぐ、「やって欲しい!」と言ってきた本症例の患者さんには嬉しく思いますが、病歴を聞くとプレッシャーがかかります。さらに術中には「いつもブログ視ています。時に面白いこと挟んでいるし、私のにも面白く書いてね!。」と念を押されました。私は直ちに、内容を考え始めてしまい、手術に対する頭脳と同時に二つのことを考え始めていました。聖徳太子状態でした。こうして頭を使えば使うほどプレッシャーが募るというものです。でも出来栄えはいつもの様に見事に仕上げます。見てくれえ〜!

症例は29歳女性。昨年末受診し他の点から診療開始しました。結構フランクな患者さんで、診察回数は数回相対してきただけですが、いくつかの希望を提示してくれトントン拍子に眼瞼の診療に進みました。後で訊いたら私のブログをよく視ていて手術を任せたくなったそうです。ブログが一人ひとりの患者さんに寄与出来る事は嬉しい限りです。打ち解けて話し(診察:アナムネ聴取)が出来るのは有用です。人夫々に、社会生活態度や周囲の理解、または家族歴つまりは遺伝的な構造の差異等に基づき、求める形態と機能は様々ですから、アナムネ(病歴)はフランクに相談する必要があります。前情報としてブログも助けになっている様で、助かりました。実はその様な時間的配分から検査や計測を怠りました。もっとも診療に不足はありません。

カルテを読み返してみたら、〔眼瞼下垂:埋没何回か。直ぐ取れた。蒙古襞のためです。内眼角間34㎜で4㎜のZ−形成が必要。ラインはそのままで?切除は上のラインまで3㎜必要か?。〕が一回目。2回目に〔下の元の奥二重ラインと中間のラインの間。切除して眼瞼見える様にしたい。〕とあるだけでした。

何故なら、「もうこれで手術は終りにしたい。」「最後の美容形成外科医:最後の男にしたい!。」と、二言希望を述べられたからです。

これまでの結果を要約しますと・・。1:これまでの手術で埋没は外れた。眼球が前突して腫ぼったいこの瞼では埋没は取れやすいのです。2:切開してもすぐ戻った。診ると、切って縫っただけで重瞼固定を受けていない様。埋没の糸は何本か透けて見えるが、切開線上に糸は透けて見えない。前にも書いた様に、切開法でも適切な重瞼固定をしないと二重にならないのです。あえて言いますが、父は切開法の大家と呼ばれていましたが、たまに緩んでいました。私は20年ほど前にそれを見て、試しに切開法の際に重瞼固定をしないでみたら、見事に二重瞼は出来ませんでした。私はそれ以来、切開法の際に自然にあるような遊び(自動車のハンドルのアソビと同じ意味)がある美しい重瞼を作ることに腐心してきました。さらに当院でも、私が教えるまでは重瞼固定をしていませんでした。二重にならない症例が続出していました。私が諫めてから重瞼固定をする様になり、滅多に外れなくなりました。3:眼瞼下垂症は前葉性と後葉性に分けて対処します。若年者の前葉性は先天性一重まぶたですから、重瞼術で対処します。後葉性は主に挙筋力不足と挙筋腱膜伸展の二種ですが、どちらにしてもまず挙筋縫縮が求められます。前葉性眼瞼下垂症があると、瞼縁が見えないので後葉性眼瞼下垂を落とされがちですが、後天性腱膜性眼瞼下垂症は必ず進行しますから、若年時に縫縮しておくべきです。特に一重まぶたを二重まぶたに変える際には前葉の重さによる医原性後葉性眼瞼下垂を起こさない様に、私はもう10年以上前から挙筋縫縮を併施してきました。4:蒙古襞は日本人なら必ずあり、その程度にはばらつきがあります。被さっていると内眼角間距離を離しているのですが、それは形態的な面です。本態は機能的な拘縮の程度が問題です。蒙古襞は下眼瞼に付着していて突っ張るので、開瞼を阻害します。程度には個体差があります。画像を診て判る様に、蒙古襞が拘縮していると、眼瞼の内側方面が開きにくくなります。眼瞼の内側が挙がりにくいとつり目になって、印象を悪くしてしまうし、二重まぶたで蒙古襞の拘縮の強いつり目の人はありえないので、不自然な形態と機能を呈してしまします。

以上の説明をどれだけしたか覚えていません。でも本症例の患者さんはブログを熟読して、画像上の結果に納得して、経過も理解して来院されたので、診察時の詳しい説明も検査も不要だったのでしょう。患者さん自身が期待を胸に手術に臨むこととなりました。そうなれば私も鋭意努力して素敵な形態と機能を与え永続性も与えたいとやる気に萌えます。

画像は術前から診ていきましょう。

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開瞼時と半閉瞼時を比べていると、蒙古襞の突っ張りぐあいが見えます。つり目です。実はすでに術直前診察時に、左眼瞼で重瞼線のシミュレーションをした点が着いています。開瞼時に見える点は元々の奥二重のラインです。半閉瞼時に3点見られるうち上は切開して傷跡だけ、中は埋没後、今回その中間でシミュレーションしたらお互いにピン!っと来ました。

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なぜか!、私がデザインを描いている画像をお撮り頂きました。瞼縁から重瞼線の距離を閉瞼で左右同高にするために測っています。その上で眼球の湾曲に沿ったカーブを引きます。それが自然なラインです。幅3㎜切除で、開瞼時にさらに1㎜拡げます。上右図は使い回しになった左眼瞼部のZ−形成法のシェーマです。蒙古襞の稜線上にこの通りに書きます。

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デザインを書き終えました。これまで約10分掛かります。デザインが出来栄えの半分を左右します。蒙古襞はいつものやつ。一重まぶたから二重まぶたに変える際には、遺伝子が同座ですから内眼角間を平均3㎜変えるべきです。それには一辺4㎜60度のZ−形成術が合致します。

手術中の画像はありませんが、めぼしい所見を記します。まずこれまでの糸が沢山ありました。埋没糸は3〜4本皮膚、眼輪筋と一緒に切除しました。深層まで剥離すると、一回り太い糸多分プロリン糸(ポリプロピレン)があります。挙筋を縫合したつもりでしょう。でも眼窩隔膜に掛かっていました。除去して挙筋腱膜を露出すると、そこには重瞼固定糸も挙筋縫縮糸もありませんでした。ただしここまでの剥離中には、これまでの手術に因る瘢痕が散在していて難渋しました。もう一つ目頭にもなんか糸がありました。すぐ取れましたから影響はなかったですが、内眼角靭帯を縫合したのなら何にも効果が得られていなかった訳で、意味ねえ〜でした。

その後LT,Levator Tacking法で縫縮して、その糸を前面に出して重瞼固定しました。目頭は内眼角靭帯をムキムキに露出させて、目頭の角が横を向くまで周囲に停止する眼輪筋を切離してから縫合しました。

DSC01598今回の結果は気合が入ったのでオーバー,over コレクション,correctionです。というか挙筋縫縮した二点ずつが見えます。挙筋縫縮は前からでも後からでも点で糸を掛けます。腱膜を瞼板に縫い止めます。すると瞼縁が挙筋に引き上げられます。二点ですが、そこが強く挙がっています。実は腫れているから、瞼縁を超えて皮膚軟部組織は垂れ下がっていて、糸が掛かっている部分は引き上げられているからです。腫れが引くに従って周囲の瞼縁の軟部組織も引き締まって挙がっていけば瞼縁のカーブがなだらかになります。それにしてもよく開いています。重瞼も綺麗です。術前は眼瞼の内側が落ちて吊り目だったのが、ちゃんと挙っているのは目頭Z−形成術の効果で、目頭も横向きになりました。

患者さんはブログの読者で面白いことが載るのを楽しみにしているそうです。でもまず真面目に術前術直後の経過を載せました。

翌日も画像を頂きました。

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遠近二葉ですが余り視線で変わりはないです。腫脹が強い方です。48時間にはもっと増えるかも?。そういうもんです。

次週抜糸時に画像を追加して説明(面白い内容)を追加していきます。お楽しみに!

早くも術後1週間が参りました。私と看護婦さんが、「早いもんですね!。」何故かと言うと、このところ手術も多く忙しいから、もう抜糸かと思えるのです。ところが患者さんは逆に「アア〜一週間は長かったあ〜!。」ですって。そうですね。術後一週間が酷い時です。私達勝手な事言ってごめんなさいでした。画像を視ましょう。

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抜糸中に「いや〜大変でした。」「寝ている時閉じていなかったもの。」私「寝れなかったから大変だったのですね。」患者さん「いや別に、普通に寝てました。でも朝は目やにで開かなくって、朝なのに真っ暗。夜かと思った。」返して私「洗っていいんですよ。開く様になるでしょう?。」患者さん「そうですが、まあ見た目にもすごいし、寝てる間に目が開いているから子供に『ママ怖い!。』って云われましたよ!。」私は心の中で〔そりゃ辛いでしょう。〕と思いながらも、「でもだいぶ腫れが取れてきたよね。」心の中では〔まだ半分以上は残るか。〕と今度はブログに書く内容を頭の中で唱和し始めていました。遂に私「面白いこと書いてって頼まれたけれど、忙しくて頭が廻らなくて、いまいち面白くなかったでしょう?。」と開き直ってブログの内容を考えて探しながら話を止めようをしていたら、患者さん「いや内容は面白かったですよ。」と慰めてくれました。私思い出して「あっそうそう初めて私も出演しています(上に載っているデザインを描いている画像)。そうそうこの看護婦が撮ってくれたんで載せてみました。面白いでしょ?。」と言ってみます。「まあまあですね。」「なんか面白いこと書いてあるのを読みました。」と助けてくれました。私「今日の画像を載せる際は書き足します。」と告げて、診療を終えました。

診療も何もブログの内容は医学的見解が一部しか載っていませんね。毎回色々な言い訳を書いてきましたが、本症例の患者さんは出来栄えを信頼されていて、意に介していません。でも読者の皆さんには術後経過の状況が解りますよね?。つまり術後1週間は普通に暮らせないと言うことです。でも形態と機能は見事に出来上がりますよ。次回の画像提示をお楽しみに!

術後2週間は契約外ですが、糸が残っているみたいなので探して欲しいからと来院されました。約3㎜のかけらを取りました。もしかして見せに来てくれたのかと感謝します。画像も頂きました。

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やはりフランクでいい女子です。遠近二葉撮りましたが、目頭形成が効を奏して、寄り目が解消して、輻輳しても内外の白めの割合がちょうど良いです。

腫脹が若干遷延傾向です。でも年齢的に、術式的に、2週間では標準的ですね。開瞼は充分見事に得られています。挙筋を前転縫合した2点ずつはまだ強く、カクカクしていますが、経過中の画像を見れば改善されてきているのは見ての通りです。

目頭の差す方向も”真”横向きで吊り目には全く見えません。今後ダウンタイムを過ぎれば、自然で目力がある綺麗な目元になります。

その点で経過が楽しみでしょう?。通常は(モニターに関係なく)満1ヶ月で診察します。私「ブログ視ました?。」と訊いたら、「面白いこと書こうとしていますよね。頑張って下さい!。」と励まされました?。今日はイマイチかな。本症例の患者さんに於いては、他の治療もあることだし、もしかしてそれ以外にも定期的に見せてもらえそうです。次回は書き連ねます。楽しみです!。

術後3週間でも来院されました。他の治療のついでですが、撮影に応じて下さいました。いい人です!。敢えて「いろいろな事気になって良く来ているよね。」って言います。

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前回睫毛エクステを許可したら早速装着して来ました。なかなか似合います。目がよく開いて重瞼がはっきりして過ぎる時期です。言ってみればわざとらしい時期です。必ず自然にある二重の感じになります。この時期はむしろエクステでカムフラージュするのも良い手ではないでしょうか?。挙筋強化の為の糸が掛かっている瞼縁の二点ずつが強く引き上げられ、カクカクと台形型になっていましたが、揺るみが生じて来てなだらかになってきました。若しかしてエクステで隠されてごまかされているのかと近接してジロジロ視ましたが、ちゃんと治って来ていました。

患者さんはフランクですが、今回は治療が待つので、二言「形良いし。」私が「よく開いたよね。」と言うと「パッチリして綺麗。」機能的にも形態的にも満足戴いています。

そして一言「目頭の向きも揃って来ましたよね?。」とこぼしました。私はっとします。上の画像を見直してみると左右の目頭の向きに若干の差があります。術前は両側共下を指していました。術直後は、下眼瞼も上向きで矢印は横向きでした。術翌日には、下眼瞼からの向きが右が上向きで左が横向きでした。でも時間経過と共に、左右の目頭の向きに差が見えなくなりました。少なくとも両側共吊り目でなくなってキラキラした目元に出来ています。

診察室を出る際にも「先生ブログを必死に書いているよね。全部読んでいますよ。嬉しいです。」とお褒めに預かりました。私心配になり「面白いですか?。」と訊くと「面白いですよ真面目な内容だし。」とこれもお褒め?頂きほっとしました。

次回術後4週間は術後経過が出来上がる時期でしょう。今日を最後にはしません。お楽しみに!

術後4週間です。

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強力に開いている。喰い込み激しい。でも患者さんは安心している。肥厚性瘢痕について説明しました。Z型の中で目頭から下眼瞼に掛けての真ん中の辺が緊張が強い為にケロイドもどきになり易いのです。リザベン開始。ステロイド注射は必要無いでしょう。

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当院では、一昨年に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」を遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用は眼瞼下垂症の診断が得られれば保険診療で3割負担は約5万円(出来高請求です。)目頭形成術は角膜に掛かる程でないと保険は適用出来ません。自費で28万円+消費税。