2021 . 12 . 9

2回目の白唇短縮術は定番化しています。一回で多量に取って無理しない!。ついでに切れ長整形で重瞼。

最近の手術はリピーターが増えました。さすがにこの2年間はコロナ禍で新(規)患(者)が少なくなりました。もちろんインバウンドもありません。私は当院で診療を始めてから13年半になります。医師になってから34年以上、銀座で美容外科診療を始めてから28年以上となりますが、その間続いて診てきた患者さんはご高齢になりましたから僅かとなりました。亡くなった方もいらっしゃいます。逆にこの10数年間診続けてきた患者さんは何十人も居ます。美容外科診療は本当の意味での口コミは難しいので、チェーン店系では新患を広告で誘引することになります。逆にチェーン店以外ではリピーター率を高める診療方針のクリニックが長続きしていきます。

さてそのコツはあります。真摯に診療することです。診療は診察と治療の組み合わせです。外科系では治療は手術が主ですが、手術解剖に基づく注入にも適用できます。診察はアナムネから身体所見、検査と進みます。アナムネとは病歴聴取のことで、主訴から既往歴や家族歴や社会歴を含みます。美容外科では広告で誘引しますし、来院時に希望をとるのですが、主訴に捕らわれて、適応を間違えないようにしなければなりません。また既往歴等は患者さんの治療法の選択に影響しますから、ある程度知らなければなりません。昨今は個人情報保護法を傘に病歴聴取に反発する患者さんも居ますが、本来医師は守秘義務が医師法に明記されていますから、外部に明かしません。ただしモニターは別です。

診察は診断を得るためですが、私達医療者側のためでなく、患者さんのためです。なぜなら診察所見に基づいて治療法の適応が得られ、その上でカウンセリングして決定するべきだからです。多くの美容外科医は、診察手順を端折ります。通常診察量は無料か低費用で治療費がウエイトを占めるからです。また、形成外科医療をトレーニングしないでチェーン店系に入職した医師は、診察は知識と技術に基づくのですが、正しい医療技術を学ぶ機会が少ないのです。逆に昨今は形成外科をトレーニングしただけで美容外科のセンス:美容的素養と美容学を知らないで美容外科に映る医師が増えてきて、美人像を知らない医師も増えてきました。

私は34年前に医師になって、北里大学形成外科に入局しながら、父の銀座美容外科医院で美容外科診療を学んできた二刀流ですから、知識と技術と美容学を同時に備えてきました。ですから、美容外科の診療において診察を念入りに行います。その結果、患者さんのためになる有用性の高い治療法が選択され、結果的に患者さんの満足度が高くなるから、リピーターになります。さらに美容学的素養から、身体(顔面)のバランスを検討しながら、診療していきますし、方法論についても引き出しが広いので、幾つかの治療を組み合わせる患者さんが増えるのです。

ところで、なんでそこを強調してきたかと言いますと、本症例の患者さんは典型的だからです。これまでもブログに載せてきましたが、幼少時に眼球摘出術を受けている患者さんで、眼瞼の非対称性に対する手術を主訴として来院され、その面については形成外科医としての素養が必要でした。毎回患者さんとよく検討して、かなり対称性を得られました。同時に口周りの手術を希望され、一度は満足されました。今回追加手術に至るのですが、そのための検討にも時間をかけました。

症例は42歳女性。3年前から当院の私に罹っていて、眼球摘出後の眼瞼の対称性を主訴としていましたが、当初からSNS上で見て白唇の短縮を求めていました。その際人中部の白唇は16㎜なので3㎜切除で外反させ、両顎前突で赤唇が厚めなので、寄せて弓や結節は強調しませんでした。同時に鼻翼は皮弁法で縮小させました。1年後に口角挙上術も施行しました。経過中白唇短縮術の効果は後戻りはしていませんでした。同時進行で眼瞼を手術してきました。

本年に入って、眼瞼の前葉の進展に対する眉下切除法と重瞼の修正を求めて来院されました。まず眉下切除を行い。切れ長整形も適応かと考えました。同時に白唇の追加切除を希望されました。シミュレーションにより3㎜切除は可能と考えました。やはり寄せないプランです。切れ長整形も同時に行えます。

画像は術前の各方向から診ましょう。

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人中部の白唇は13㎜でもなんとなく、まだ長い感じ。

IMG_3645IMG_3644E-ラインより口吻が前なので長さが目立つのです。下にデザイン。

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3㎜切除です。下に術直後。

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両側人中稜で寄せないと腫れが目立ちません。

IMG_3658IMG_3659口吻前突だと、口を閉じる際に下口唇をあげなければならないので、頤に梅干しができます。その上で、下口唇が前へ提出されますが、上口唇も外反するのでバランスはよくなります。

右眼瞼の切れ長整形を同日に施行しました。重瞼が浅くなっていたからです。2㎜切除し、骨膜に固定します。重瞼線が綺麗に再建されました。下には術後1週間の抜糸後。

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創は癒合良好です。

IMG_4008IMG_4005まだ頤に梅干しができますが、すっきり感は得られました。上口唇の外反にはお喜びです。

遠方なので術後1ヶ月+@で来院されました。

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下口唇が凸でも上口唇を外反させてバランスが取れます。

IMG_4102IMG_4104表情が優しくなります。口元は影響します。

術後3ヶ月で完成像を診ましょう。

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正面像でも近接像でも傷跡は赤い線ですが、目立たないそうです。

IMG_5963IMG_5964なんか優しい雰囲気を見せます。

そして今回は口角を挙上しなかったので、2回目の手術を予定しようかと考えています。その際も画像を戴けますよね?。なお、切れ長整形はブログ提示になっていないのですが、緩みが生じてきたので、追加手術を検討します。