2022 . 2 . 21

スレッドリフトとPRP療法の組み合わせで明るく若々しく!。優しいキャラクターの女性には似合います!。

毎回患者さんに強弁しますが、美形な顔面の基礎は輪郭です。正面輪郭では細面で面長。逆に丸顔は可愛いですが、美人とは言いません。五角形や三角形の顔面輪郭は野暮ったい。側面輪郭ではE-ラインが重要です。E,Aesthetic–ライン,line は鼻尖と顎を結ぶ線ですが、口吻がその線上にあるのが美しいとされます。側面輪郭でも部品以外の凹凸が少なく前方に丸みがある方が綺麗です。瞼頬溝やゴルゴ線(ゴルゴ13の著者は先日亡くなったのですが、劇画は継続するので引き続き使います.)も斜めや側面から見えます。目尻や頬のコケは正面から見え、側面からも影が見えます。美形な顔面は、対する人を優しい気持ちにさせ、明るいムードを立てます。

輪郭が美人の部類なら、部品の改良で美人度アップされます。逆に輪郭を改造すれば美形となりますが、骨格的な要素が主体である場合は高度の手術を要します。そして軟部組織の改造で足りる症例は少なくありません。

骨格性の輪郭と軟部組織の輪郭は差が出てきます。皮下脂肪の増加は加齢に相関しませんが、加齢で皮膚が伸展し、表情筋群が弛緩すると、たるみとして皮膚と皮下脂肪などの組織は落ちますから、輪郭を変えます。落ちる組織はリテイニングリガメント,Retaining ligament(骨や表情筋と皮膚皮下組織を繋ぎ支える靭帯)が並んだ線で止まり伸し掛かりますから、その上に溜まり、靭帯線が相対的に溝になります。Jowl の前のマリオネットライン(操り人形=マリオネットの口が割れた線)と目袋の下にクマ=瞼頬溝,Palpebro Malar groove が代表的です。ゴルゴ線も靭帯部です。いずれにしても正面からも側面からも輪郭を損ねます。私はいつも「美形の骨格なのに、軟部組織に凹凸があってはもったいですよ!。」といつも強弁します。

実はこれらの溝は、その上を引き挙げても、限界があり、溝を埋めることが必要になります。逆に挙げないで埋めるだけでは再発が早く、またたくさん入れれば埋めるにしても出過ぎてしまいます。ですから正面でも側面でも輪郭をきれいに平らにするためには、挙げながら、溝を埋めることが最適です。本症例ではご理解されていて同時に施行します。もちろん別時でも可能ですが、優しい患者さんは同時に受けてブログ提示して魅せていくことを承諾されました。嬉しい限りです。ですので皆さん!、画像を見ながら説明をよく読んで下さい。

症例は45歳女性。カルテ上は、「下顎のラインをスムースにしたい。」とあります。対して私は「咬筋が厚いです。」と答えていて、「Jowlはあります。ボトックスを打ってからスレッドリフトです。」と添えています。PRPは下眼瞼から溝、鼻唇溝上三角とマリオネットラインに分けるなら2〜3CCとあります。カルテ内容が簡素なのは、本症例の患者さんがブログを視て下さり、画像を見て期待し、医学的な内容を理解しているから、カルテを細かく書く間もなく手技が決まっていくからです。私はこうしてブログを書く段階になった際に困ることなど頭になかったのです。

1週間後に咬筋にボトックスを注射しています。その後術直前のカルテを診ますと、「ボトックスは効いて、咬筋の部分の硬さが減って膨らみも出なくなっている。」「これでリフトが効きます。」と書いています。画像の様にエラ部(人間は魚類ではないから鰓が無いのですが、下顎角部を称する.)(なお胎児の際には同部に鰓の原基があった.)が、下顎縁の曲線よりも外側に張り出していない様に効果があった。スレッドリフトはJowlを耳前に引き上げるから、エラ(私も言ってしまった.)付近にたるみが起きます。咬筋が厚いと余計に膨らみますから、予想される際はあらかじめボトックスを注射して2週間診てから挙げます。

PRPはJowlを挙げてから、予定の溝に埋めます。PRP注入についてはフィラー,Filler=埋めるものとして、柔らかく増量して長持ちするので、適応部位には最適です。PRPについてはこれまで何回も書いてきましたが、安全で、得な治療です。細かい内容はまたの機会に。

まずは各方向の術前と術直後及び注入直後を比較しましょう。さらに術後経過も載せながら更新していきます。

IMG_6282IMG_6288

IMG_5994IMG_7130

正面像の術前と術直後と2週間後と1ヶ月後ですが、Jowlを挙げると口角が挙がって見え、マリオネットラインが浅くなります。元々目袋が厚く無いので、瞼頬溝は注入で目立たなくなります。術直後は腫脹で顔が大きくなりますが、数日できれいな下顎ラインが見えてきて、キリッとしながら楚々とた顔立ちを得ました。

術後3ヶ月で完成を見たいと思いまあう。下に正面像の術前と術後3ヶ月を並べました。

IMG_6282IMG_8510

トリミングのサイズが違うのはお許し下さい。実はこの間に他の手術を施行しました。画像で見て判る通りです。しかしそれにしてもJowlのもたつきは見事に治っています。

ところがPRPによる瞼頬溝の充填は、見てとれる様になりました。少なくとも患者さんに見えてしまう程度です。充填量の半量程度が減っている見栄えです。ちょうど3ヶ月頃が減ってくる時期です。PRPは創傷治癒過程を応用しているというかメカニズムが同じです。創傷治癒過程では成長因子が働き創をくっ付けたり欠損組織を再生させます。同様にPRPに含有している成長因子が組織(主にコラーゲン)を造らせて充填する仕組みです。創傷治癒過程に於いても成熟して治る時期が3ヶ月ですから、PRP療法でも成長因子がよく働いて充填するのは3ヶ月までです。今後は成長因子の働きがゆっくりと落ちます。

ここでもう一度創傷を加えれば、もう一度成長因子の活性が高まり再増量するか、少なくとも活性が保てます。学会員がいくつか試した中でYAG LASERが効果的だったので、私も10年前から利用しています。要するに、YAG LASERでPRPを注入した層に熱傷を起こすのです。火傷は創傷です。それも深部だけに起きますから、PRPの作用が振り出しになり、成長因子が再活性するのです。大体ですが、毎月YAG LASERを当てていくと、当てない症例の約2倍長持ちします。患者さんはブログを見てご存じで、早速当てていかれました。実はPRP後の患者さんでは全顔でなく、注入部だけの部分照射ですからかなり割引きにしています。

IMG_6287IMG_6285

術前の両側面像。

IMG_6292IMG_6290

術直後の両側面像。

IMG_5995IMG_5997

術後2週間の両側面像。比較すると、口角の位置も変わり、各溝が目立たなくなりました。

IMG_6286IMG_6283

術前の両側斜位像

IMG_6291IMG_6289

術直後の両側斜位像

IMG_5996IMG_5998

術後2週間の両側斜位像。比較してみると、なんとも若々しく見えます。

診察時にコメントを戴きました。「刺し出し口は10日で消えました。」「刺し入れ口はまだ痛い。」のだそうですが、意識しなければ問題無いとのことです。「糸が通っている皮下組織は例えば顔にクリームを塗るときには感じる。」意識すれば挙がっているのが判る訳で効果を感じているからいいのでしょう。開口は「パンやおにぎりを食べる際に3横指開くと痛い。」通常3指以上は大開口です。女性はそこまでであるべきですよね?。日常生活に支障はきたさないそうです。

横指とは、「前へならえ!。」をした指を”自分”の口に向けて入れた幅です。口の大きさ、特に横径は人によって違いますから、開口にも個体差があるので、”自分”の指で測ってもらいます。私の得意の口周りの手術の回復時に使います。他に下顎骨折や口周りの骨折の手術後や顎間固定後のリハビリにも便利です。Jowl lift 後も、口を開くと下顎が下がるから糸が引っ張られる訳で、開口時痛が有り得ます。回復を診ていく際に横指で測ってもらっています。

まずは術前術直後を比較しようと考えていたのですが、術後2週間まで見たら良さがわかるので待ちました。今後の経過もお楽しみに!。

下に術後1ヶ月の斜位像

IMG_7133IMG_7132

下に術後1ヶ月の側面像

IMG_7134IMG_7131

結果は持続しています。リフト効果はまだ後戻りが見られないと患者さんは客観的に述べられました。PRPの効果も持続して波が感じられない。

IMG_8513IMG_8514

上には術後3ヶ月での右側面像と斜位像。

IMG_8512IMG_8511

上には術後3ヶ月での左側面像を斜位像。リフト効果は充分に保たれています。患者さんは「糸が入っている感がまだあります。」と仰る。私「いいんですよね?。困りませんよね?。」と訊くと、「寝ていて当たっている感がrったりしますが、別に困りません。効いていることですから。」といつも優しいお答えでした。話ながら私も触れてみたのですが、私が入れた糸ですが、外からは触れません。「外から押すと顔が感じるのですね?。」と訊いたら、「そんな感じですかね。」とのこと。

実はJowlは口角挙上の効果も影響して挙がったままなのかもしれません。アッ、この期間にした他の手術をバラしてしまった!。でも見れば判りますよね?!。そうやって診ると、Jowl liftと口角挙上術とクマ(瞼頬溝)取りの PRP療法は雰囲気を明るくする美容治療の組み合わせです。患者さんの選択と私の適用が一致して嬉しい結果です

当院では厚生労働省より施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

・麻酔薬にて、ごく稀にアレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは2日~1週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起きる可能性があります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、糸を挿入した部位は、笑ったり・触ったりすると違和感や痛みを感じることがありますが、2週間程度で改善してきます。・糸を挿入したところが、一時的に違和感(異物感)や引きつれ感を感じる場合があります。1~3カ月程度で徐々に改善していきます。・稀に、糸を挿入する針孔から感染する可能性があります。その場合、適切な処置を行いますのでご来院ください。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴はお控え下さい。・手術後3日間は、手術の刺入部位のお化粧はお控え下さい。

費用の説明も加えなければなりません。3Dリフトは14万円+消費税。コグ糸は一本3万5千円+消費税。PRP注入は1CCが10万円+消費税、2CCでは15万円+消費税です。なお、PRP後のYAG LASERは本来1万円のところ、五千円にしています。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。