2022 . 6 . 22

まだまだ続く口周りの手術。今回は人中を中心とした両側鼻翼間の上白唇短縮術です。赤唇も強調します。またまた学会で脚光を浴びます。

他の多くの患者さんが来院する度に、「先生は口、鼻の下、口角、鼻の手術が得意なんですね。視ています。」といきなり告げます。私「別に専門家では有りませんが・・。」と答えながら、「でも画像を視て一番綺麗で、形態が良いと思われるなら、私も努力の甲斐があったのですから、嬉しいです。」と付け加えます。

しかも、学会でも評判です。昨年JSAS(非形成外科の美容整形出身医側)を、よりに依って私の後輩が主催した際に、彼に依頼されて発表しました。今回また、JSAPS(形成外科出身の美容外科学会)での指定演題を依頼されました。JSASでの評判を聴いたのか、JSAPSにはこの手術に精通している医師が少ないからかは解りませんが、ブログで患者さんの評判を得てきましたのは確かで、その結果症例が多いので、どの学会でも私に発表させるのしかないのでしょう。

なにしろ最近、遠方からも来院が多いのです。やはりせっせとブログを書いて、全国的に評判を得ているからでしょう。この手術はよくも悪くも結果が見えるからです。美容外科で顔の前面を切開縫合する手術は数少ないからです。美容上目立つ部位は切れないからです。また見え難い部分も有ります。

例えば眼瞼は、目を開いていれば見えませんし、私の切開眼瞼形成術(眼瞼下垂手術や重瞼術等)では縫合が連続縫合と特殊なので、目を閉じて見せても判らないそうです。私は重瞼固定も緩過ぎずキツ過ぎずですから(30年以上腕を磨いてきました)、凹んでいませんし線は細いので見えないのでしょう。また鼻の手術は、鼻の孔の中の切開だけでする事も有り、創跡はもちろん見えませんが、軟骨移植の際だけは鼻柱を切開します。二つ工夫が有って、W型に切開してぼやかすのと、最低三針の”真皮縫合”!を加えます。初回手術後は創跡は見えません。他に例えば切開リフトの手術では、顔面の横に創跡が有りますから、形成外科医が丁寧に”真皮縫合”すれば創跡は折れ返り線に有るので見えなくなります。

対して眉下切開手術と上口唇短縮術だけは顔面の前に創跡が出来る手術です。ですから”絶対”!真皮縫合が最重要課題です。眉下切開で片側最低12針、上口唇短縮術では約4㎝の長さ(鼻のサイズに因るし、切除幅でも変わる)に対して、平均18針は真皮縫合します。約2㎜間隔ですよ!。形成外科に入局した直後に先輩の上級医に教えられました。「真皮縫合後は、引っ張っても幅が内容にしろ!。」「そうしないと数週間後に創跡の幅が拡がるぜ!。患者に怒られるよ!。創跡が拡がらないのが形成外科医としての務めだ。」この様に学んで来た形成外科医なら顔の前面を切開する資格が有ると思います。

ところが、上白唇短縮術は美容目的の手術なので、形成外科医は手を出しません。却って、形態的な美容的センスを磨いていない形成外科医には、手を付けて欲しく有りません。逆に形成外科のトレーニングを受けていないチェーン店系の美容整形屋は手を出して欲しくないのですが、何人かの医師はまだヤッチャッテます。ただしSクリニック達(二つ)では、術後創跡が拡がって案の定トラブル続出しました。数年前から止めたそうです。それはそれで良かったですね。

私は34年前に北里大学形成外科に入局し、15年間在籍して形成外科診療に邁進していました。同時に医師となって直後から、父の美容整形医院で毎週末は美容外科診療を学びました。もちろん座学は形成外科も美容外科も同時進行しました。25年前頃からは所謂有名美容外科クリニックで週3日の診療して、13年前から当院で切開手術を主に腕を揮って来ました。実は美容外科と形成外科の専門医に合格している医師は、本邦に100人しか存在しません。その意味で私も生粋の美容形成外科医です。でもこの手術が出来る美容形成外科医師は現在数名しか存在しません。

これまで、何百例の上白唇短縮術を施行してきて、ブログにも、数えたら約300例は提示してきました。毎回その都度、細かい説明が載っていると思います。説明と言っても美容学的見地と医学的見地、さらに医療者としての医師における出自が質に繋がることを書いてきました。これは誘因行為ではありません。

症例は35歳女性。ブログを視て来院されました。いきなり測ります。人中部の白唇長21㎜。上顔面(生え際〜眉下)60㎜:中顔面(眉下〜鼻下)55㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)70㎜と下顔面が長い。因みにこの計測値が美容医学的に普遍的で全世界共通で一般人やビジネス的美容整形屋は間違っています。下顔面の中で上口唇(鼻下〜交連)30㎜:下口唇(交連〜頤尖)40㎜と、黄金分割比率の5:8で計算すると上が5㎜長いです。因みに口唇は赤い部分だけでなく、解剖学的には皮膚まで含みます。これも全世界共通ですが、アジアの美容形成外科医はビジネスに特化して勉強しないので知識が足りません。人中は深く、弓は急。結節はH-Aで造った。持続する為に1.5㎜寄せる。口角は下がらない。E-ライン+5㎜で閉口不能。赤唇は綺麗でも、とにかく白唇が長く冗長。

術直前に診察し確認します。5㎜切除で、下口唇挙げないと閉じない。上口唇が降ろせる様になるまで3か月程度罹りそう。患者さんは容認しました。両側鼻柱基部(人中陵)で白唇を1.5㎜ずつ寄せて、人中を狭く、弓をさらに急にして、結節を再建します。

画像は経時的に各方向を提示します。まずは術前から。

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計測値のごとくの冗長な下顔面です。赤唇は綺麗な形です。

IMG_9330IMG_9325E-ラインよりも口吻が前です。

デザインは予定通り描きました。その結果は下列に術直後画像。

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赤唇の膨らみを口唇結節と称します。本症例はヒアルロン酸で作ってありますが、手術でさらに強調しました。でも赤唇全体も腫脹しているのと局麻で動きが悪くなっているためにキスシーンにはなっていません。

IMG_9342IMG_9340なぜか笑ってくださいました。優しい感じを得ています。Eーラインは気にならなくなります。でも梅干しは出来ます。

手術翌日も画像を頂きました。

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腫脹は術直後より増長します。

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1週間で鼻翼以外は抜糸します。

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抜糸時に引っ掻いてしまうため、傷跡が赤くなります。赤唇の口唇結節が見えてきました。キスシーンの唇でしょう?。

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側面像でも斜位像でも、下口唇に力が入っていて、頤が膨らみます。頤筋と口輪筋の協同運動が働くからです。近接画像では、鼻翼横にはまだ糸がありますが、透明糸なので見えません。

下列は術後2週間

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口唇結節はまだ減りません。ヒアルロン酸は理論的に、手術等の侵襲で腫脹や血行亢進が生じると、吸収が早まるはずです。これまでの症例でも見られました。でも私が更新結節を造ったので、貧弱になりません。

IMG_0002IMG_0005主張が弾き始めてスッキリ感が見えます。下に近接画像ですが、糸がなくなると傷跡の赤さも目立たなくなり始めます。

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術後1か月は体調不良で延期し、6週間目に来院してもらえました。IMG_0983IMG_0981

一度傷跡が赤い線になります。傷の深部の組織が癒合する際に血行が亢進するからです。

IMG_0976IMG_0979白唇が長く無いと優しいです。

術後3ヶ月で完成像を診ましょう。

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左鼻翼横の膨らみだけは焼き潰せます。他の傷跡はメイクで隠せるそうです。

s-IMG_2667s-IMG_2666斜位像でも側面像でも口吻の突は目立ちません。赤唇のヒアルロン酸は溶け切らないそうです。前医に行くそうです。

 

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の提示です。上口唇短縮術は28万円+消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。