2015 . 5 . 1

鼻翼(いわゆる小鼻)挙上術はあぐら鼻には効果的

昨日の手術ですが、ちょっとした違いなので、画像を良く診ないと判らないかも知れませんので、早速見て下さい。

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上の左図が術前、中央が術直後、右図が本日つまり術後1日です。

何をしたのかというと、鼻翼(いわゆる小鼻)の位置を挙げたのです。比較したら、判りますよね。鼻翼再下端の位置と鼻柱または鼻尖の最下端の位置を見て下さい。術前は、鼻翼基部の方が鼻柱基部より下にあったのが、術後は左右の鼻翼基部と鼻柱基部の3点が水平線上に並ぶようにできました。何をしたのかと言いますと、鼻翼の最下端=鼻翼基部を上に移動したのです。鼻柱最下端=鼻柱基部の位置は変えていません。

またまた、美容医療の用語を紹介することになりました。鼻翼基部と鼻柱基部とは、形成外科医療のシーンでは、口唇裂の治療上重視すべき点です。口唇裂は約500人に一人は存在しています。皆さんの周りにもいる筈です。片側の口唇が癒合しないで出生すると、患部側の鼻も引っ張られて下がって生まれてきます。鼻翼基部が下がっているのです。この場合、口唇を綺麗に合わせると、鼻翼も一緒に挙がるのですが、成長時に微妙な差が生じてくることがあります。この際は、片側の鼻翼を挙げなければ対称性が損なわれます。顔面の大きさとしての非対称性は誰でもあり、気にならないのですが、顔面の部品の位置の非対称性は目立つのです。例えば、目の開きの大きさは㎜以下の差なんてザラです。私も0.5㎜は違うでしょう。でも位置が違ったら目立ちます。私の顔で実験してみます。

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上左図は私の普通の顔です。例えば目の開きは左右差がありますし、上口唇の厚さも左右差があります。この程度の大きさの差は日常意識されないものです。右図はわざと右顔を顰めてみました。これだけで普通の状態の顔ではないのが判りますよね。でもこれが、顔面神経麻痺で定常状態な人もいる訳です。先天異常でもあり得る形態です。(私はどちらでもありません。)常時こんな顔している人がいたら、「変な顔!」ってみられるでしょう。実際曲がった顔の人は居ますよね。テレビに出るTさんや、4代前の総理なんかも顔面表情筋は非対称ですよね。表情としてならこの顔は嫌な感情を表していますし、見た相手は嫌な奴だと感じます。図はわざとしてみただけですから悪しからず。顔面表情筋の動きは複雑で、思い通りに動かすのは難しいのですが、表情筋の一つ一つを解剖学的に考えながら、動かしてみました。

話を戻して、口唇裂では非対称性を是正するべく、治療します。患側の鼻翼の位置を挙げる手術は必要です。前回形成外科の説明で触れました通り、口唇裂は乳児期にキレイに治せば、現在の技術的には傷跡では分らなくできます。ですから、対称性が大事です。そこで、これを応用して、両側鼻翼基部の位置を挙上する手術ができました。写真を再掲します。下左図が術前、下右図は術後1日です。

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実はこの画像は正面像ですが、微妙に方向がズレているかも知れません。上から撮れば鼻翼が挙がって写るし、下から撮れば逆になります。ですから見た目が大事で、患者さんが一番判っています。今回の患者さんは大変満足されています。

方法は鼻翼をU字に切って持ち上げて、底の軟部組織を縫い縮めてU時の傷を小さくしたら、その上にはな翼を戻すのです。その際鼻翼に厚みや、余剰があったら、トリミングします。縫合線は鼻翼の付け根なので目立たなくなります。こうやって説明すると簡単に聴こえるかも知れませんが、それこそ非対称性を生じないように細心の注意を要します。図では対称性が保たれていますよね。今回はまだ術後早期なので、側面像や斜位は載せていません。傷が目立たないのは術後早期からですし、縫合糸も透明にします。次回、1週間後の経過を提示しますからお楽しみに!。