2020 . 6 . 22

ゴージャスな美人ですが、これまでの私の治療は更なる美的向上を与えてきました。他院でのこれまでの手術での問題点の改善を求められました。難しかったのです。

長らく当院で私が治療に携わってきました。美しく、そこに居るだけでゴージャスな雰囲気を発散する女子。それでいて明るく素敵な言動に終始する可愛い女性です。

美容医療に対する理解度が高く、美しさをさらに磨くことに喜びさえ感じている様子です。私が長年提唱してきた様に、美容外科は美人が相応しい典型例です。美しい人はより美しく、美しさを保つためには惜しまない。でも実は、本症例患者さんは他院でも受けることがありました。もう一つ私はいつも、美しさはトータルに造り上げていくものだから、出来れば最低診察だけでも、治療計画だけでも、罹り付け医を持っていた方が良いでしょうと提唱してきました。本症例は多分、そのコンセプトを解っているから、また私に罹って下さるのでしょう。なお今回は、他院に対する評価をしません。見ていけばわかる様に、私が非難を浴びてもしょうがない経過ですから。でも最終的結果は見事に得られました。患者さんは大満足です。

このブログは美容医療に於いて起き得る様々な事を見せます。今回の症例はいくつかの問題が起きて、治るまで腐心しました。だからブログも術後4週間まで載せませんでした。何がどうなってきたのか?、見ればビックリするでしょう。でも上に書いた様に、患者さんはとても明るく素敵なひとで、私との信頼関係も深く、更に結果も得られているし、患者さんは審美眼が高いのでよく判って下さるから納得されています。敢えて言えば、現在は治療以外に出歩かないし隠せるから、治療に専念できる面も助かりました。

私もいつからか鼻が曲がっているのは知っていました。画像を見直してみると、9年前には診られません。その後一度、他の治療中の画像で、鼻に腫脹を伴っています。多分その時が鼻の手術後なのでしょう。その後の画像では鼻根が左へシフトしています。画像をめくって見ていくと、6年前から鼻尖の上が右へ突出しています。現在まで形態は変わっていない様です。今回機会が出来たので治す事を要望されました。

症例は36歳女性。今回数年ぶりに昨年来いくつかの治療をしてきました。昨年末外鼻の治療を打診されました。とは言っても私が入れたものではありませんから病歴聴取が難しく思い出してもらうのに苦心しました。聴くと、約10年前と5年前くらいにSでI型プロテーシスと両側からの耳介軟骨移植を受けていました。当初から曲がったそうです。触診すると鼻尖の軟骨が余計で、除去を示唆しました。下にダイヤモンド型の耳介軟骨を右耳介の残りから入れる提案をしました。I型はカプセル切開でしっかり俵型固定を予定しました。

時間が作れて先月来院。もう一度診察しました。私は移植軟骨が右にシフトしているのではないかと考えました。早くから動いたそうです。もう一つ20年前には鼻翼軟骨縫合も受けていたそうです。その時点での見立てとしては多分縫合が外れたのでしょうから一番上の軟骨を左下に移動させるか?と考えました。その上に両側の鼻翼軟骨が倒れたのでしょう。移植軟骨はこれまでのが壊れたら追加することになります。プロテーシスは触らなくてもよさそうに思っていました。

上の病歴を頭にまとめてみても、開けてみなければ判明しません。私の触診でも何が起きているかは判明しません。やはり開けてみて考えることにしました。とにかく鼻尖の上を左に戻したい。そして鼻尖に足したい。右耳甲介の後部に残存があるのは触診で確認できました。

いよいよ手術となります。術後3日目に説明しながらカルテに記載した内容を引きます。1、プロテーシスの先端が丸く、右にあったために削った。2、プロテーシスの下端の左側のポケットを拡大剥離し作成した。3、その上で中央にプロテーシスを縫合固定しました。4、問題が発生しました。それは剥離中に皮膚を穿孔したことです。プロテーシスの下に軟骨が積み重なっていて、夫々を剥離する際に、一番浅い軟骨を皮膚から剥がす際に皮膚の裏側から剪刀が入りました。もちろん直ちに縫合しました。自分で切った創ですから、元通りに縫合すれば創跡は線になると自負して説明しました。その時は納得してもらえ、患者さんは気に掛けていない様子でした。

ところが、手術から5日目に痂皮を取ろうとして、傷が開いたそうです。その夜急激に鼻根まで発赤腫脹疼痛が出現しました。その日は自発痛は軽度でした。創からの感染を疑い、直ちに抗菌剤を服用し始め、点滴も加えました。

その翌日には疼痛が増強し、腫脹は変わらないが、範囲が拡がりました。排膿は無かったです。2日後まで増強し、触れるだけでも疝痛を感じました。発赤し、圧痛が強くなりました。さらに2日経ると若干軽快してきました。その翌日!(術後10日)、自己処置(軟膏塗布)時に鼻柱中央の傷跡の痂皮が剥がれて4時間後黄色白色の浸出液が多量に排出し、と同時に腫脹が減少し疼痛も減弱しました。術後11日目に診ると、術直後(炎症を生じる前)の状態に戻りました。術後2週間では炎症所見は軽快し貯留も無い。念のため抗菌剤は継続。術後3週間までは浸出液も出なく形も見えてきた。

この様な経過ですから、今の今までブログ提示を遅らせてきました。患者さんにもその様に告げてきました。私はむしろ、治療方針に苦悩していてそれどころではなかったからでしょう。

画像を診ながら説明します。

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上の画像5枚は正面像。順に術前、術直後、術後1週間の半抜糸後、術後11日、術後20日、術後30日です。1枚目:術前の鼻尖はダイヤモンド型が左に存在します。しかも鼻尖が高くないです。2枚目:術後は中心化されました。直ちにテープで圧迫固定しましたが(実は隠す意図も?!)鼻尖が真ん中にあります。患者さんも悦んでいました。3枚目:術後1週間まではバタバタして写真は撮っていませんが、術後1週間では鼻根から鼻尖まで、上から下まで腫脹が診られます。手術を始めとした侵襲後は48時間までは炎症所見が亢進しますから、術後1週間の方が腫れている場合もありますが、疝痛、熱感、波動(触れるとブヨブヨ)を伴う炎症所見は感染が惹起している可能性が高いと考えられます。尚創の治癒課程は順調で、手術創は1針以外抜糸しました。鼻柱中央の一針は残しました。これが後で効を奏します。穿孔した鼻尖の創は下端の二針以外は抜糸出来ました。赤い線の下端です。ここから感染したものと考えられます。4枚目:術後11日です。浸出液を排出したので、腫脹が軽減しています。術後1週間と比べれば明らかですが、術直後と同じ程度かは画像からは判らないと思いますが、触診上ブヨブヨ感(浸出液貯留に因る波動)が消失していました。ホッとしました。5枚目:更に腫脹が引いて鼻尖の形が判ります。まだ発赤は残ります。穿孔した創跡は見えなくなってきました。6枚目:術後1ヶ月です。軽くメイクしています。傷跡も隠すまでもなく目立ちません。患者さんも気にならないそうです。

斜位像も同様の順です。

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1枚目:術前には、右鼻尖の上に突出が見られます。鼻尖の下半分がストンと落ちていて上向きに見えます。2枚目:術直後には既に、鼻尖が下まで高く綺麗です。この時点で形態的には患者さんはお悦びでした。3枚目:術後1週間では、感染に因ると考えられる炎症所見が明確です。鼻根から鼻尖、波及して眉間まで厚くなりました。4枚目:術後11日には鼻根や眉間の腫脹が急激に減少しています。鼻尖のくびれも診られます。5枚目:術後20日には形態的に素敵です。鼻尖右側の突はありません。鼻尖が下まで造れました。これまでの軟骨も移動したからです。6枚目:術後1ヶ月。ダイヤモンド型の鼻尖の下半分がペタンとしていたのが丸く下方移動しています。ああっそうです。今回の手術で私が追加したのは軟骨一枚ですが、この形を作り足したかったのです。患者さんはこの点でも大満足だそうです。

側面像も同様の順です。

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1枚目:術前の鼻尖は若干上にあります。しかも鋭角です。2枚目:術直後はテープ固定で隠されて、鼻尖の位置移動が判りません。3枚目:術後1週間では炎症で鼻尖が膨らんでいるから下方延長して見えます。4枚目:腫脹が軽減して鼻尖の位置が下方移動したのが判ります。5枚目:術後20日では撮影時に顔位が後傾してしまい、鼻尖が上を向いて見えますが、ツンッとしました。6枚目:術後1ヶ月です。側面像がよく判ります。鼻尖は鼻綾線(鼻スジ)の延長線から後ろに向かって(この婉曲点がTDP)カーブを描いて鼻柱に繋がっています。術前はTDPから急に角度を変えていき鼻柱へ直線的に繋がっていました。術後はTDPからカーブの半径をほぼ一定にあたかも1/4円のごとく鼻柱に移行します。それだけ話せんの位置が下がったので、自然で綺麗です。これは軟骨移植を追加したふくらみが造り出しました。

下からの画像も同様の順ですが、創の経過がよく見えます。創傷治癒課程が反映しています。

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1枚目:術前には鼻尖の右にこぶ状に突が診られます。よく見ると、鼻柱にこれまでの傷跡があります。2枚目:術直後には鼻柱の創から出血しています。これまでと同じ切開を使っていますから何回も切ると創傷治癒が遷延します。3枚目:感染性の炎症がピークの時で、鼻尖が腫れて高く大きく見えます。鼻尖の皮膚の穿孔創は一部見えます。実はJ字型に切れたのですが、もう大部分癒合して二点だけ見えます。ただしこのとき見える創が治癒遷延して、感染源が侵入した物と思われます。鼻柱の中央の創は三角弁を入れていますが、その三角形の皮膚は壊死傾向です。だから抜糸しませんでした。4枚目:その結果前の写真で視られた鼻柱中央の壊死皮膚が痂皮(かさぶた)になり、それが取れた孔から浸出液が排出されました。術後11日には孔が視られます。でも炎症所見は軽快しました。鼻尖の糸はこの後抜糸しました。5枚目:術後20日ではもう既に鼻尖の傷跡はよく判りません。鼻柱の傷跡も術前に近く目立たなくなってきました。鼻尖の形態も左右対称で下方に丸く盛り上がって、自然で美しい鼻尖と言えます。6枚目:術後1ヶ月では鼻尖の傷跡は見えなくは無いのですが、下から見上げなければ判らないでしょう。鼻柱の横の傷跡は術前と同じ部位ですから、日時と共に元と変わらなくなりそうです。下方から見た際の鼻尖の形態ですが、術前と比べて一番の違いは!、実は鼻尖が大きくなっています。術前は鼻翼から鼻尖にかけて三角形ですが、術後は鼻翼と鼻尖の境界が出来ました。そうです。そこがポイントです。白人の高い鼻でも三角形ではありません。むしろ鼻尖の幅は両側鼻翼間の幅の半分以上を占めます。つまり高くて存在感のある鼻尖こそが白人の美人女優が誇る本当の意味でのアップノーズなのです。本症例の患者さんはその存在感がゴージャスで美しく、パッと見に白人に見えるし、もちろん鼻綾(ハナスジ)も高くしていますから、バランスがあっています。ただし真っ直ぐでなかったのは治せましたからこれで完成を見たらサイコーです。もう一つ術前は鼻尖の下が平坦でしかも両側に角度の違う溝がありました。術後は鼻尖全体が丸く下に伸びています。矢印鼻でなくても、わずかに長くなったアップノーズ気味の鼻尖も白人に近く、やはり本症例にフィットしています。

今回の症例提示はまとめて術後1ヶ月までを載せました。微妙な形態変化ですが、対称性と鼻尖のダイヤモンド型の丸みを造りました。不意に作った穿孔創は目立たなくなりました。これまでの手術経過で感じていた様に、傷の治癒力が高い人体なのでしょう。その点は助かりました。ただしその影響かと考えられる感染性の炎症を惹起しました。患者さんは強い症状に困惑し、私は久しぶりに青くなりましたが、昨今の事情で連日の来院が可能なために点滴で抗菌剤を投与できたので治りました。いやそれもこれも患者さんの治癒力が高いからでありましょう。ゴージャスな身体は負けないのでしょう。美しく強く、それでいて可愛い言動に終始する、本症例の患者さんに助けられました。逆に患者さんは治ってきたら、そのゴージャスな大っきな目(一部は私の作)とセクシーな口元をさらに強調しながら、「ダーイ満足!です。」となんども感激して下さいます。

今後術後3ヶ月までは拝見できるし他部位の予定もあるのでさらに延長して画像提示できることと思います。

下に術後3ヶ月の画像群。

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何事もなかったように綺麗に治りました。形態的にも良好で、対称性も造れました。お悦びです。いや私は、ほっと胸を撫で下ろしました。そういう訳で次に進めます。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しSNS上に加筆をしています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。今回はプロテーシス改良と鼻尖軟骨移植1枚で33万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。