2023 . 3 . 10

丸く半円形の重瞼線の外側を延長して、綺麗な切れ長の目に。要するに骨膜固定で切長整形しましょう。

前にも書いた様に、切れ長整形(セーケーじゃないってば美容ケーセーだってば!)は、私が開発した手術法です。でも本当は、父が考案したので美容整形です。30年前父が私に相談して来ました。目尻の上より外側に二重瞼を延長出来ないかと二人で思い悩んでいて、父が「とにかく折り込めばいいんだぜ。」と言うので、私が思いつき「そこには骨がある。骨膜に縫い付ければいいんじゃないか?。」と言いながら、私心の中で”そういえば父が造る(切開しか出来ない)二重まぶたは、目を閉じても二重だなあ〜、骨膜に縫い付けて目を閉じても二重でもいいってことか?!。”と閃いたのです。父に言うとやってみようとなりました。初回例は旨くいき、患者さんは満足しました。

その後私は医学博士取得の為の研究に携わりました。題目は二重瞼と一重瞼の構造的差異です。走査電子顕微鏡でご遺体を調べました。結果は【二重瞼では眼瞼挙筋から枝分かれしたコラーゲン繊維が皮膚に付着していて、目を開く際に、皮膚も引き上げられるから、折れ返る構造になっている。】と証明されました。ああ〜、それじゃあ前に考案した切長整形は解剖学的には不自然だなと思いました。でも、生来一重瞼の東アジア人を二重瞼にすることも不自然ではあるので、それも有りかなと考えました。不自然とは見た目ではなく、自然状態で存在し得る解剖学的形態と機能のことです。あり得る形態に変わることを不自然というのは間違いです。その意味でも切長整形は不自然ですが、この様な形態は東アジア人以外には多く存在します。

二重瞼は眼窩内に引き込まれますが、白人とアジア人は標準的な骨格と眼球の位置関係に差があります。白人は眼球よりも眼窩骨が出ていて、二重瞼が眼窩内に引き込まれ易いのです。アジア人では眼窩骨よりも眼球が前に出ていて、二重瞼が引き込みにくいタイプが多く、眼瞼挙筋からのコラーゲン枝の付着線の高さが最高位でも8㎜と解剖学的構造が限定されています。

実はその意味では、本症例は眼窩骨が前方にあり、目尻の外側の皮膚の下垂が余計に目立ちます。そにみでは無理クリでも切れ長整形で延長して引き上げるのは似合うと思います。

症例は43歳女性。4年前初診。何箇所かの部位の診療と手術を受けながら、眼瞼に付いて3年間から診察して来た。内眼角間36㎜:眼裂横径26㎜:角膜中心間64㎜と眼球が離れているが目の横が小さいから外側にも余白がある。まず目頭形成3㎜のZ-形成術を施行して目の間は35㎜と近づけた。次に目尻切開はどうか?、と相談された。頬骨幅138と顔が小さくないから眼裂横径28㎜:内眼角間34㎜でも適応あり。吊り目なので30度下方向へ3㎜拡大したら良いか?と考え施行した。更に結局眉下で目尻側を引き上げた。目尻切開後は後戻りが止まって眼裂横径は29.5㎜となった。その後経過診てきて、他の部位を治療していた。しかし、2021、11のカルテに目尻切開の2回目を希望された際に、私は切長整形の適応と書いている。

その様に診てくると、眼窩骨の円形の下に重瞼が引き込まれて、20年前に他院で造った重瞼線が半円形で丸いから、眼裂横経が大きく見えないのかと考えられます。昨年10月には外側だけ眉下切開を追加しましたが、まだ眼窩骨外側のたるみが気になるのです。この問題には切長整形が適応します。画像で診る様に、左右のたるみの分量は差があります。引き上げの強さは変えられます。

画像は術前術直後を視て比べましょう。

術前の眼瞼部遠近二葉。遠近上左図の遠景よりも上右図の近景の方が輻輳(目が寄る)して外側の白目が増えています。目尻の上で重瞼線が途絶しています。その上の弛みに左右差があります。

術直後の遠近二葉。重瞼線が目尻を超えて骨の上に斜めに繋がっています。どちらにしても眼裂横径が大きく見えます。あくまでも錯覚ですが・・。

近接画像で重瞼線を視ましょう。

重瞼線が半円形で目尻の上に骨の上に乗る軟部組織が弛んで診られます。そこで今診て気づいたのですが眼窩骨は目尻から水平に外側は窪んでいます。なのでこの上に止められるのです。

術直後の画像は、上が正面で下が斜位像。とにかく目が大きく見えます。右眼瞼は強く縫い付けましたから、止まっている点の凹みが強く喰い込んでいます。左眼瞼は控えめに止めたので綺麗に流れています。

重瞼線の上の軟部組織は全体に同じ分量です。腫れで膨らんではいます・・。何より固定が定着するのを祈ります。おおむね1ヶ月がヤマです。次回抜糸時にダウンタイム後の形態を視ましょう。

下には術後1週間で抜糸後の画像群。

止まっています。眼裂が拡大して見えてお喜びです。目尻の上のたるみが持ち上げられました。

ラインのカーブは綺麗です。深さもちょうど良いのですが、固定には最低3週間かかります。

下に術後1ヶ月の画像群。

正面像遠近二葉。切長の二重でお悦びです。顔面の外の余白が減って見えます。

開瞼時ではよく判りませんが、閉瞼時には固定点が診えます。これなら取れなさそうです。私「1ヶ月でこのくらいよく引き込まれていれば、保持できるでしょう。この分なら癒着不全で外れるのは15%以下でしょう。」と曖昧な説明とカルテ記載しています。やはり術後3ヶ月で完成を見るまでは安心できません。

当院では、厚生労働省より制定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用は、切開法の眼瞼下垂手術は保険診療ですが、切れ長整形は15万円+消費税がかかります。追加時は長さにより数万円です。なお局所のブログ掲載を承諾して頂くと、20%offとなります。