2014 . 2 . 28

上口唇短縮術とは?。-症例2-

何度も書きますが、口唇とは赤い唇だけでなく、医学的には鼻の下の皮膚も口唇とです。赤い唇を赤唇、肌色の唇を白唇と言い分けます。ですから、上口唇短縮術はどこかを切除縫合することになります。

最近学会でも報告されているのですが、鼻翼基部から鼻柱基部の外鼻孔底の堤状の高まりの下に傷を持って来れば、折れかえり線なので傷跡が見えにくくなると考えられ、そこで切除するようになりました。但し、形成外科認定医が、形成外科的縫合で丁寧に縫い合わせないと、何しろ動くところですから傷跡の幅が出てきてしまい、見え見えの傷跡になってしまいます。そういう意味では、非形成外科医の多いチェーン店では手術を受けない方がいいと思います。

上口唇短縮術については、今回もう一例提示できるので、その経過をお見せしようと思います。

2月10日手術、下左図が術前、下右図が術直後です。

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上2図は近接像、5㎜切除しました。違いがよく判るでしょう。術後に光っているのは軟膏のためです。

IMG_0767左図は下からの近接像です。

下図は2月24日で術後2週間です。

IMG_0942唇が裏返って可愛いでしょう。

IMG_0942左の近接像でも、メイクしていれば傷跡が見えません。

患者さんは、2週間でも結果を見て喜んでいます。傷跡はメイクで隠せるし、腫脹も軽い。運動も異常をきたさない。もちろん口はちゃんと閉じます。形ですが、唇がセクシーになります。それなのに鼻の下が短くなると品が出ます。そりゃそうですよね、鼻の下が長いのはいやらしさの代名詞みたいなものですからね。そして、切除幅幅が5㎜以下なら、口の機能には問題なく、もちろんちゃんと閉じます。切除のデザインは、出来るだけ口の横幅の両サイドの上を均等にとることが大事です。そうしないと、口角が挙がらないからです。上図や前回のデザインの様に鼻の横にはみ出るくらいまで切除します。さらに、両サイドの傷の中で、口輪筋という、口を閉じる環状の筋を縫い縮めて引き揚げることで口角を挙げています。

この手術の最大の問題点は、創を顔に作るということです。癌やできものを手術しなければならない際には、顔を切開することもあります。もちろん私達形成外科医は形態も治す努力をします。それと違い、美容医療は病気を対象とするのではないので、切るとしても目立たない、場合によっては傷跡が見えなくなる様に選ばなければならないのは言うまでもありませんよね。

顔を切開する美容医療手術はいくつも挙げられます。形成外科医がすれば目立たない、少なくとも素人には判らない傷跡にします。例えばフェイスリフト手術は、耳の前の付け根⁼折れかえりにあるので見えなくなります。私は自分で何年か前にした患者さんの傷跡を見いだせないこともあります。まぶたの傷跡は、二重線を切れば目を開いている際には見えません。目を閉じると白い線があるのですが、これは先天性二重瞼の人にもあります。

私にもあります。DSC_0047撮ってみましたので、信用してください。それはそれとして、下眼瞼手術でも、睫毛の根元の直下を切開すると判らなくなります。あくまでも直下なら。他院で2mmも話して切られた患者さんは見え見えでした。眉下切開手術は眉の生えているラインの下を切開しますが、ブロウを描くかアートメイクをしないと見えてしまう傷跡です。実は本症例は、眉下切開手術を受けています。上の写真を見ると、上口唇短縮術直前のノーメイク状態では傷跡が見えます。傷跡の線がわずかに谷になってしかも白くなっているからです。でも、2月24日にメイクしてきた際には見えません。写真は正直です。

他にも切る手術はいくつかありますが、鼻の孔の中なんかは傷跡は見えないし、耳の後ろも見えなくなります。口の中の傷跡は当然見えませんが、歯肉や耳下腺開口部に注意が必要です。

今回お見せしたうえ口唇短縮術は、口もとという視線が行く場所に見える傷ができますが、目立つのは術後数日です。患者さんはマスクで隠しています。今はやりのダテマスクです。だって口紅も引かないでマスクしている女性は一杯いるでしょ。ご覧のとおり、早ければ8日目には、メイクすれば見えません。傷跡は幅がゼロに等しく、凹凸がなければ、隠せます。線が赤いのは数カ月かかって消えます。幸いにしてこの手術の切開線は、鼻の孔の入り口の土手状になったところの下の折れかえりに置くので、谷状の線になった方が目立たないのです。とは言っても角度は変えずにぴったり縫合します。これが形成外科医の技でというものです。

いいですかァ⤴!。形成外科医は普通の外科医ではありません。特殊縫合法を習得している者だけが形成外科専門医となるのです。もちろん道具も特殊で繊細ですし、糸は肉眼で見える最細のものを使います。もう一つ大事なのは、中縫いです。皮膚の表面だけでなく、裏側も縫ってあります。これによって傷跡の幅が出来ないのです。外科で内臓の手術を受けたり、整形外科で骨折の手術を受けたりした跡が目立つのは、創を縫合するのに治ればいいとしか考えていないからです。傷を目立たない様に治す費用は治療費に入っていないからです。ご理解いただけましたでしょうか?。

巷間のチェーン店系美容整形医には、形成外科のトレーニングを積んでいない者が多く、傷跡の質が違いすぎます。見分け方をいうと、経歴を見て形成外科の経歴がないか、短い(6年以下)医師に手術を受けると傷跡がヤバいでしょう。経歴がどこにも載っていない美容外科医師は論外です。とにかく切開手術は形成外科出身の美容外科に任せるべきです。私達の様に美容センス(経験とまじめな目)があるかどうかは別ですが・・。

最後になりますが、口の中から唇の裏側を治すことはできないか、現在議論中です。銀座院では、何例か行われました。短縮効果はケースバイケースの様です。加齢性に皮膚が伸びたら、やはり・・?。今後改良しながら、場合によっては、上口唇表裏共の短縮術の併用という手もありかとも思っています。赤唇の裏返り具合との兼ね合い、赤唇の厚みとの兼ね合いもあり、今後の発展が待たれます。

今回の2症例は赤唇の裏返り具合と厚みが美容的に受け入れられると思います。前に述べた女性的方向性が増していると思います。鼻の下が短くなると品が出るとも言え、理知的な方向性にも寄与すると思います。

 

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